[裏S区]
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Bさん「本当に、殴ってしまってごめんな。」
俺 「いや、いいです。こちらも苛々してましたのですみません。」
親父「ん?お前なんかしたんか?」
俺 「いや、俺がBさんを殴ってしまった。」
Bさん「あ、いや、それは俺が○君を見ていきなりお経とか唱えたから嫌な気がしたんやろ?
    ○君のせいじゃないわ。俺がいきなりすぎたんがいけんかったやから」
親父「申し訳ございません、それは聞いてなかったので」
俺 「え?なんの話をしよん?俺がBさんを殴ってBさんがいきなり」
  ここまで言って気絶前の事を思い出した。
俺 「あれ??俺気絶する前にナニカ見たわ・・・」
Bさん「うん、そやろな・。俺は○君みて直ぐに気づいてなぁ。何かおるって、それでお経を唱えたんよ」
母 「大丈夫なんですか?何かって何ですか?」
Cさん「えっとね、私らが住んどる地域がなんで裏S区って言われるか知っとる?」
親父「えっと、失礼かもしれませんが、差別的な意味ですよね?」
Bさん「それはそっちだけの認識やな、じいさん、ばあさんによう言われたやろ?裏Sには近寄るなて」
親父「言われましたね。でもそれは部落差別的なもんやと思ってましたけど、違うんですか?」
Bさん「いや、そうや。そうなんやけど、差別があるけ言うても今も言い続けよるんは裏Sの歴史が
    ちと異常なんや。」
親父「いや、私も妻も生まれはS区やからその辺は分かってますけど、部落とか集落系での差別って
   どっこも同じようなものでしょ?だから、異常っていうのはわかります。」
Bさん「はは。そうやろ?そういう風にとらわれてしまってるんやな。裏S区は部落やからって事でも
    他国のモンの集まりでもなく昔からこの地域に住んでたモンの集まりなんや。」
親父「はい。ただ、違いが私にはちょっと・・。」
母 「あれですか?あの鬼門がどうのとかって言う話ですか?」

Bさん「ん?鬼門の話か。まぁ、そんな感じなんやろうけど、裏Sにうちと同じ苗字が多いやろ?」
母「はい。多いですね、A君とことBさんの家は親戚やから当たり前やけど、それにしても多いですね、
  S区には全然いないのに裏S出身者では結構みかけますしね」
Bさん「あの辺は昔から霊の通り道って言われとんな。ナメ○○○(なんて言ったかは不明)とかそんなの聞いたことないですか?」
親父「いや、名前はしらないですけど、聞いたことはあります」
Bさん「まぁ、その地域はそういう地域でして、うちらの家系はほとんどが霊感があるっていわれてたんですね。
    それが原因で発狂する奴もおれば、いきなり何するかわからんって感じでいつの間にかそういう集落、
    部落になっていき差別されるようになったんですわ。
母 「でもそれやと裏S区はかなり広いからおかしくないですか?Bさんとこの家系だけで裏S区自体が
   そういう風にわかれるますかね?」
Bさん「うん、わかれるんやろうな。最初は3,4の家のもんが発狂し始めてて、でも、それが村中で始まって
    ってなってって最終的に4,50件も起きれば、その周辺全体がおかしいって思われるやろうし
    昭和の時代にそんなアホみたいな話を信心深く聞く人間が少なくなってきてるしな」
親父「それでも、それで部落になるんかなぁ。」
Cさん「まぁ、うちらの家系ではそう教わっとるんです。だから生まれてきた子らには霊が見えるってことを
    前提に接しとる。見えん子もおるやろうけど、霊は居るって教えとるんですよ」
俺 「いや、それと俺が体験しとるのとBさんの話と何が関係するんですか?」

Bさん「○君。最近Aの様子がおかしくなかった?いきなり学校休んでるのは置いといてそれ以外に
   なんかおかしいことなかった?」
俺 「最近っていうか、わからん。急に殴りかかってきたりしてたけど。」
Bさん「急にか、なんも言わんかったか?」
俺 「いや、急に。意味わからんし。あ!そういうことか。Aが急に異常になったってこと?
   霊が見え初めて発狂し始めたんっすか?」
Bさん「いや、Aはまともや。でも何をすればいいかわからんかったよ」
俺 「は?まともじゃないっすよ。あいついきなり殴り始めたし、しかも笑いながら。皆怖がって
   俺を助けようともせんかったし」
Bさん「○君、殴られたときに怪我するようなこと受けてないやろ?いや、殴る事自体は悪いことやから
   庇ってるんじゃなくてな。うちの家系での霊を見つけたときの対応は笑う事なんよ。やけん、異常者
   に見られることもあるけど、普通は無視してるんやけどな。」
母 「ってことは、○に霊がついてたって事ですか??」
Cさん「うん、今も憑いてる。それと○君ベランダに誰か見える?」
俺「はい??なんですか?ベランダですか?」

続く