[くる]
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そっから先は姉貴の声しか聞き取れなかったけど、なんか段々
声が離れていった感じがしたのね。そんで時折笑い声とかすんの。
さすが姉貴は叔母さんに超好かれてるだけあんな!とか思いながら
ダッシュで車庫に行って車のエンジンをかけたのね、
「よし!行けるっ!」
そう思い、ギアをバックに入れてライトを着けると
ライトの先には物凄い顔をした叔母さんの姿が映ってたんだ。
あの瞬間は本当に背筋が凍った。だってさ...
作業用スコップ持ってたんだもん。
そっから先は鬼バック。急発進。
チャーリーなエンジェルも真っ青なフルスロットル。
近くのコンビニに着いて速攻姉貴に電話をすると
「いやスコップですよw!でもやっぱ完全に殺意の対象はお前のみ。
アタシとか全然笑顔でトークしてたよ。あの酒席で誰もお前の事を
フォローしなかったのは大正解だったねw」
と大爆笑な姉。
「殺意の対象が俺のみじゃなかったらあんな無茶な事しねぇよ」
とか言いつつも内心家族が心配でその日は姉貴と弟に寝ず番を。
もち武装した状態で。そして明け方着いた祖父の家で
自分の車を見てビックリ。
傷だらけ。引っかき傷だらけ。
つか叔母さんさ...
車庫にいたのかよ...
叔母さんはその数日後神奈川だかの病院に入院して
今は退院して元気だそうです。多分。
それまでいろんな心霊スポット行ったりしたけど
生きてる人間が一番怖いです。