[ストーカー転 じて・・・]
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その子はそうなんだ、と残念そうに言ったが、こう続けた。
「その子の事は、本気で好きなの?」
そういわれて、またちょっとムッとした。
そりゃ仕事柄(クラブのバーテンダー)ちょっと派手な髪してて遊んでる風に見られることもしばしばある。

だけどほとんど面識のない女の子にいきなりそんなこと言われるのは心外だ.
僕は気を悪くしつつも「そりゃ本気で好きだよ。だからゴメン。」と返した。

するとその子は「じゃあ電話番号とかメアドもダメ?」と言われたんで
客足を増やしたかった僕は店の名刺を渡し、
「街によくビラ貼ってあるし、興味のあるイベントがあれば連絡して。」
と言ってその子と別れた。
それが間違いだった。


それからKから毎日のように電話がかかってきた。
店にも毎週末来るようになった。どんなジャンルの音楽の時でも。
店に来て、踊るわけでもなくカウンターで僕が酒を作るのをじっと見ているだけ。正直僕は居心地が悪かった。

そしていつも電話や店で聞かれるのが「彼女とはどう?」だった。

ある日僕の家で彼女と居る時、Kから電話がかかってきた。
「今○君(僕です)のマンションの下にいるんだけど、今日泊めてくれない?」
と言われ、僕は当然「は!?」と言った。彼女は僕の家なんか知らないはずだ。

彼女も不穏な顔で見ている。「なんで家知ってるんだ」と聞くと、
「この辺りで友人とケンカして、車を下ろされた。でトボトボ歩いていると、僕の乗っている車があった。ナンバーも一致している」という。
僕はその時ようやく「この子はちょっとおかしい。」と思い始めた。

「普通に無理。しかも今彼女いるから。アシがないなら家まで送る。」と言った。
それを聞いていた彼女が、「誰?」と聞いてきたので誰?と聞かれ、僕は「ほらいつも店にくるって言ってたあの子」と
小声で返した。毎日電話がかかってくることも彼女には普段から話していた。

束縛も全然しないし僕が浮気しないことも十分悟っている彼女も、さすがに動揺し、
「切って」と合図を出す。「ゴメン待っててくれる?掛け直す。」と言い、電話を切った。
彼女は「どうなってんの?」と不機嫌そうに聞いてくる。僕は全部話した。
それを聞いて「その子おかしいんじゃないの!?あたしが下言って話してくる」
といい僕の静止も振り切りマンションの下に降りていった。

続く