[猿夢を見た]

グロ注意】

猿夢を見たことがある
多分寝る前にPCでまとめサイトを見ていたからだと思う

通学に使っていたオレンジと深緑の電車のボックス席に座っていた
乗客はまばらに5・6人いたと思う
次の駅までまだなのに停車のアナウンスがなぜか流れたんだ

「ご乗車ありがとうございます 次は串刺し〜」

途端に左前に座っているOL風の女性の身体から針が突き出た
床まで血を垂らしてびくんびくんって悶えてから座席に横に倒れた
すると車掌さんがやってきて窓を開けると倒れた女性を外に放りだした
そしてまたアナウンスが流れる

「本日は○○線をご利用いただきましてありがとうございます お降りの際には座席にお忘れ物がないようにお気を付け下さいませ」

その間も他の乗客はただ黙って座っていた
そしてしばらくも進まないうちにまた停車を知らせるアナウンスが流れる

「ご乗車ありがとうございます 次は煮えたぎり〜」

今度は真後に座っている中年サラリーマンだった
自分は窓の外を見ているんだけど、なぜか後ろの光景がわかった
空中に現れた明るい茶色の鍋が傾くと中の煮えたぎった油が男の顔面にかかった
次々と湧き出る油で男の表面がこんがりと焦げて目玉が沸騰して白くなって、
大きく叫ぶみたいに口を開けるんだけどその口のなかにも油がいっぱいでなんの声も出ない
油が出なくなるのと同時にまた車掌がやってきて男を窓の外に放り出して、発車のアナウンスが流れる

引き伸ばしでは連結の近くに立っていた女性が見えない何かにつかまれ通路を引きずられ肉が徐々にはがれ
通路に人の欠片が一つながりに引き延ばされたようになっていて
弾き飛ばしでは突然座席から放り出された学生がそのまま天井にぶつかり
液体みたいにぐじゅぐじゅにつぶれて天井に張り付いた

弾き飛ばしの次は轢き潰しだった
そこでなぜか次は自分だなと分かった
でもなぜか怖いとか逃げようとか思わなかった
ぼんやりと無感動に窓の外を見たまま自分の四肢の指からどんどんとひねりつぶされるの感じていた
もちろんすごく痛かった

ねじられた場所が火に突っ込まれたようにかっと熱くなり、かゆいほど痛くなった
指がすべて潰されるとそこから先の手や足が徐々にひねるようにつぶされていった
窓の外はいつのまにか街中から煙ぶるような緑の森になっていた
森の奥は真っ黒になっていた

足から腰、腹に順番につぶされていった
腕の方は肩までつぶして止まった
内臓を潰されるのはなんだか絞られているようで少し面白かった
腹は簡単に潰れたんだけど、胸になるとちょっと堅いみたいで時間がすこしかかった
胸からひねりつぶすからただの潰すに変わった
肋骨の下の方から重みをかけられてどんどんとつぶされていった
心臓が潰された時はずきんと背筋を走る鋭痛が走った
胴体が完全に潰されたら支えを失って頭がずるりと落ちて座席を転がって床に落ちた
それでも視線は窓の外に向いていた

まだ全部つぶれていないのに車掌さんがやってきて、頭を持ち上げるとぽんと窓の外に放り投げた
頭は捨てられたのに意識はまだなぜか車内にあって、つぶされた胴体の上から窓の外を見ていた
頭を放り投げた車掌さんは潰された胴体を持ち上げると、一つながりになっているそれをずるずると窓の外に捨てた
これでようやく終わったなと地面に落ちるまでの間、走る長い電車を見ながら思った

地面に落ちるまで結構時間がかかったんだけど、なかなか電車は途切れることがなかった
ようやく電車が終わったのと地面に落ちるのは同じくらいだった
走り去る電車の最後の窓に車掌さんの後ろ姿が見えた
転がったまま、先に捨てられた頭を探しにいかなきゃな、と思ったんだけど身体がつぶれているから動かなかった
痛みはその時にはもうなかった
なんの変化もないままずっと森を見続けているとやがて眼が覚めた


目が覚めた後もまだ身体はあの森の中にあるんだと思った
つまり目が覚めた状態の自分は頭の方だと認知していた
だから、探しにいかなければいけないんだと寝ぼけ眼で窓を開けて外に出ようとして思いなおした
自分の部屋は2階だった
風が冷たく、それで目が覚めなければそのまま落ちていたとおもう


そんな猿夢だった


次の話

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