[おまじない]
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それから一か月たったある日、Aが入院することになりました。
「あのAが」とみんなで驚いていたら数日後、Aの病状について先生から説明を受けました。

白血病という病気になったということ。お見舞いにいったら
治療のための薬剤で

 髪 の 毛 が 抜 け お ち て し ま っ て い る 

ということ。
先生は「だからお見舞いに行ったときにそのことは言わないであげて(ry」とか言ってましたが、
私はただあのおまじないのせいでないよう願っていました。


その日、家に帰宅すると机の引出の中に何やら汚れた紙のようなものが。

…校舎裏に埋めてきたあの緑の紙でした。


その引き出しは鍵がかかるタイプで、鍵も筆箱に入れていたので家族が開けられると思えない。
それにその机のある部屋は姉と共同で使っていたので、友達を入れてはいないし。

結局Aはそのまま夏休みまで退院せず、そのまま他の場所へ転校していってしまい、音信不通のままです。

ちなみに紙は家の庭でこっそり燃やしました。
私はその後何もありませんが、Aはどうしているやら…

あ、でも今考えたらそれ以来霊感が皆無だったのが少しある程度になったかも。
仏壇の前で亡くなった祖父や祖母を見かけるようになりましたので。




いったいなぜあの紙が戻ってきたのか、夜に部屋にいたのは何だったのか。
何もわからないままです。

オチもなにもなくてすみません。個人的に洒落にならない話でした。


次の話

Part211
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