[はみ出した足]

2か月ほど前の実話
友達と一緒に名古屋の大須に買い物へ行ったんだ

適当に服を見たり、雑貨を買って疲れたから某百均が見えるところに座ってぼんやりと雑談をしていた
なんとなくその店の方を見ていたら、妙な女の人が現われた
温かい日だというのに何枚も服を重ね着した女は、同様に沢山の布が重ねられたベビーカーを押していた
初めは荷車代わりに使っているのだと思った
だが、ベビーカーの下の方から足がのぞいていた
嫌に赤黒い肌をしたベビーカーを使うほど小さくない足がはみ出るという表現のままに出ていた
それはベビーカーが動くたびにぶらぶらとまるで自分の意思がないように動いていた
大体、子どもが乗っているのなら息ができないほど大量の布を積むはずがない
怖くなって隣にいた友人にこっそりと教えると、彼女もみるみるうちに顔色を失った
その後、女はベビーカーを百均の入口に放置したまま中へはいっていった

死んでいるのかそれとも人形なのか確かめる勇気もなく、2人してその場からすぐに離れた
今思い出してもぞっとする


Part210
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