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[迫り来るモノ]

自分の体験書いてみる。
子供の頃の話だからあやふやな部分があるし、はっきりとしたオチもないけど、暇なら読んでくれ。

俺が生まれたときから、母親の親友の女性とその息子がうちに一緒に住んでいた。
ちょっと訳あり(父の不倫とかでは断じてない)なんだけど、そこは省略。
俺は息子Aにすごく懐いていて、Aも俺を実の弟のように可愛がってくれた。
で、3歳くらいの時、俺はやばい病気にかかって入院したんだ。
その時、病室でおかしなものを見た。

大きさは自分と同じ三歳児くらい。
外見は、言うならば日本人ぽい顔立ちのリアルなダッコちゃん人形(若い人は知らんか)。
真っ黒な顔でニヤニヤしていて、唯一白くはっきり見える眼だけが、
左右バラバラに、めちゃくちゃな方向へとギョロギョロ絶えず動いていた。
そいつが上半身は起こした状態で、膝を曲げたり伸ばしたり・・・
うまく言えないけど、脚を尺取り虫みたいに動かして移動する。
動き自体はゆっくりで、病室にある家具にぶつかるとそれにつかまって立ちあがり、
俺の寝ているベッドの方に顔を向けて、「B(=俺)!B!」って叫ぶ。
しばらく叫ぶと方向転換して同じように移動し、家具にあたると立ち上がる。
この繰り返し。訳分からん。
文字で読むと笑えるが、見ると怖いぞ。

そいつが出るのは大抵夜遅くで、時間としては10分くらいかな?
俺は周りの大人たちに泣きながら訴えたんだけど、
親も母の友人も真面目に取り合ってくれなかった。
聞いてくれたのはAだけで、面会時間が終わってAが帰るときはいつも大騒ぎしたらしい。

入院中ほぼ毎日でるそいつは適当な方向に動いてるように見えたが、
実は少しずつ出現する場所が俺のベッドの近くになっていることに気づいた。
こいつがベッドに着いたらどうなるのかと、心底怖かった。
大人は取り合ってくれない。Aだってまだ子供だから頼りようがない。
病状は悪化していて退院のめども立たない。逃げようのない状況だ。

ある日、とうとうそいつがベッドのすぐそばに現れた。
ちょうどその時いたのがAだけで、俺はそれを指さして必死にAに訴えた。
何回かの方向転換を終えたそいつは、俺のベッドの方向に移動してきた。
自分は殺されちゃうんじゃないかと思って、もう泣きまくった。
その時、困った顔をして見ていたAが泣いてる俺にしがみ付いて、
「A!A!」ってなぜか自分の名前を叫ぶんだ。
俺は( ゚д゚)ポカーン状態だったが、Aが「返事してください。」って言うから、
「うん。」って返事した。そうしたらなぜかあいつの進行止まったんだ。

それからAは「Bって呼んでください。」っていうから、
Aに向かって「B?]って言うと、Aが「はい。」って返事した。
そしてあいつを見ると、これまでずっと目玉をめちゃくちゃに動かしていたあいつの視線が定まっていた。
Aに向かって。
Aとあいつの目が合っていたようだから、あの瞬間きっとAにもあいつが見えていたんだと思う。
Aは青い顔で突然泣き出し、病室からすごい勢いで逃げ出した。
あいつは同じような動きだが速度を上げ、Aの後を追って出て行った。
あの後なにがあったのかは覚えてなくて、Aに聞いてもはぐらかされるだけで教えてくれない。
あいつが何者なのかもわからない。
似たような体験談も聞いたことない。
Aもこのことを覚えているから夢でないのは確かなんだが・・・。
結局俺はその日以後急速に回復して、数日後には退院した。
今俺が生きてるのは多分Aのおかげなんだと思う。
ここまでが体験談。

余談だがAはこれ以外にも何かと俺を助けてくれて、
犬に襲われた時や韓国料理屋で石焼ビビンバの器を落とされた時なども、
危険な位置にいたのは俺なのにもかかわらず、庇って代わりに怪我してくれる。

生きているのもそうだが、俺が五体満足なのも実はAのおかげなのかもしれない。
今度飲みにでも誘ってみるよ。


次の話

Part210
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