[襲うモノ]
新宿のラブホの話 
        
部屋に着くなり彼女(来る前、街で会った)が急に帰りたいと言いだした。「なんで?」と聞くと部屋の隅で女の人がこっちを睨んでいると言った 
俺には見えないから「テキトーに理由つけて帰ろうとしてるな」と思い無理矢理ベッドに押し倒し、襲いかかろうとした瞬間 
俺は急に誰かに後ろから首を絞められた 
「誰だ…よ!」とその腕を掴み払い除けたら 
ヤクザみたいのが「俺の女になりしとんじゃあああぁぁぁ!」と怒鳴ってきた 
俺は気が動転して「はひ?お知り合いの方?」と言い、逃げようとした。すると「お前、女に無理矢理襲いかかっただろ?警察に突き出してもいいだぞ。こっちはお前の素性はしってんだからよ」 
「はい、確かに彼女に洗い浚いしゃべりましたし…あれ?彼女がいない…」 
        
俺は財布から持ち金全部置いてホテルから出た。するとさっきの彼女が待っていた 
「私も脅されたんです…ひどい事されませんでしたか…?すいません…本当に……」 
「そうなんだ…。でも金は取られたけど、何もされなかったよ。気にしないで」と言うと 
「ありがとうございます。でも女の人がいたっていうのは本当なんです。あなたの首を絞めてたのも…」 
「…え?」 
というと遠くから 
        
ピーポーピーポー 
        
救急車がホテルの前に止まった。しばらくすると一人の男が運ばれてきた。さっきのヤクザだった。男は真っ青な顔で「俺じゃない俺じゃない」とブツブツ言っていた。その首には手の跡がくっきりとついていた