[憑かれた男]

以前、鬼という話や蟲になった友人、神社に現れた狐などの話をアップしたものです。
今日は本当に私が経験した「憑かれた男」の話をしたいと思います。
実は私、某県で警察官をしています。
ある晩のことでした。
パトロール中の私に本署から
「駅前に酔っ払いがいて無駄に元気に暴れているから、ちゃっちゃとGOGO」
と指令が入り、言われたとおりすぐに行きました。
駅前に着いた私の目に飛び込んできたのは、
   身長190センチくらい
   肥満体
の大男が、
   上半身裸で
   甲高い奇声を上げながら
   ぼろぼろの靴1足を前に
イスラム教の祈りのような仕草を繰り返しているというものでした。

私が勤務しているところは精神異常者が多く、また米軍基地があるということから、
私自身修羅場をかなり踏んできたつもりでしたが、
この男を目にしたときはさすがに戦慄しました。
とりあえず、この男をそのままにしてはおけないので保護と呼ばれる取り扱い
(ぶっちゃけた話、本署の房に入れて人に迷惑をかけさせないようにする)
をしようとしたのです。
しかし、その奇行を止めようとした私にその男は殴りかかって来ました。
まぁ、この程度なら慣れてるので別に問題もなく、
通常通り脇固めに取り、そのまま制圧しようとしたのですが、
   全く効きやしない
これ以上は折れるって行く角度まで持っていっても、痛がるそぶりも無く、
変な方向からでっかい拳でがんがん殴りつけてくるのです。
やむなく私は、両手で決めてるのに片腕1本で返されそうなのと、
暴れられると本人の腕がヤバイので脇固めを解きました。
いやはや、これまで私は何度も米軍人の酔っ払いと取っ組み合いしていたのですが、
その男のパワーと言ったらまさに規格外でした。

続く