[呪いは存在する]
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やはりというかなんというか、その後すぐにチンチクリンが自殺未遂をしたと、男から連絡がありました

だろうな、浮気相手の前であんな事言われたら…
まあこれで2人が寄りを戻せばいいかな
と私は楽観的に考えていました
ところが、そう簡単には終われませんでした

その後、KY男とは連絡をとらず、着信拒否にしてひたすら雲隠れしていましたが、
やはりというかなんというか、ストーカー行為をしてきました

玄関の前でぼーっと佇んでいたり、
カーテンを開けると窓の下にいたり

私は毎日電気を消して居留守を決め込みました
外にも出ず、なかばヒッキーです

同時に、職場にも別のストーカーが現れました
この話には関係ないので詳細は省きますが、前職の仕事関係で少し話しただけの、名前もしらないオサーンですが、
私とヤッタという噂を元彼や友達に流した変態です
あの手この手で私に近づいてくるし、とうとう職場までバレたため身の危険を感じて、すぐに仕事を辞めました
それ以外にも、夜道で知らない男に追われて捕まりそうになったりと、散々でした
外が怖くなり、完全に引きこもり生活です

そんな時、異変が起こり始めました

異変とは、音です
台所で「カラン」と缶が転がるような音がしました

最初は普通に、台所に置いたゴミ箱の中の缶が転がったんだろう、としか思わなかったので、気になりませんでした

ある日、ゴミの日に缶類を出して、部屋の中には一つも缶がないのに「カラン」となる事に気がつきました

それから私は、音に注意を払うようになりました

わかったのは、その音がなるのは夜中の2時丁度から、朝4時まで
それ以外の時間には一度もなりません
当時、ヒッキーだったため、一日中部屋にいたので、時間は確かです
精神的に追い詰められていたので、幻聴や耳なりも有り得ますが、そんなあやふやな音ではなく、
実際に缶が転がったとしか思えないリアルな音で、
遊びに来た友達も音を聞いているので、幻聴ではないと思います

毎日同じ時間にカランとなるだけで、実害はなく、不思議ではありますが、怖くはなかったです

音とストーカーと、半分は私のせいで自殺未遂をしたチンチクリン

私は悪くない
と思っても、嫌な気持ちで毎日を過ごしていました
そのうちに私はふと気づきました

この音はチンチクリンの呪いか?


もしそうなら、音の主という物があるはずです
主があるなら、話せばわかるかも?
と考えて、夜中の2時にまたカラン、となりだした時、
「あんたウルサいよ
勝手に人ん家に入り込んで騒音ださないでくれる?」
と声に出して言ってみました
面白い事に、そうするとその日はもう音がならないのです

しかし毎日2時になると再び始まります
もう、音がなると2時になったと無意識にわかるようになってきました
毎日、ストーカーに悩まされ、引きこもっても怪音に悩まされ、
とうとう実家に逃げました

不思議な事に実家までは怪音は追ってはきませんでした

半分家出みたいに一人暮らしを始めた私は親に謝り、すごく反省してまた実家で暮らすようになり、今に至ります

あの怪音や不運の連続は、家出をした罪とチンチクリンの呪いだと思っています
呪いの正体とは、生き霊に他なりません
無念など負の感情が誰かに向かった時に、簡単に生き霊として飛ぶものだ、と思います

この経験のせいか、私は生き霊に敏感になり、その後も生き霊の存在を感じる事があります

呪いはあると思います
幽霊よりも生きた人間のほうが確実にたちが悪いです
幽霊なら一度追い払えば済みますが、生き霊や呪いは本人が忘れない限り付きまとってきます
場合によっては、本人の自覚がなくても襲ってきます

その話は機会があれば投下したいと思います


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