[真っ黒な手]
母親が昔体験した話 
俺の母は、心霊現象など全く信じていない人で、TVとかで心霊番組を見ても 
「ふん! 
そんなもん、あるわけないやろw」とか平気で言う人だった。 
そう、あの体験をするまでは・・・ 
        
ある日、母が寝てる時に生まれて初めて金縛りにあったそうだ。 
母は冷静に「あぁ? これが金縛りってもんか」と思ったらしい。 
なにやら足元の方に何かの気配を感じたので、かろうじて動く目で見てみたら 
人間の背丈はある位の大きさの巨大な真っ黒な手が手招きしている。 
それを見た瞬間、母の体が「ズルッズルッ」とその手招きに合わせてゆっくりと 
引きずられ始めた。 
さすがにこれはヤバイと思い、助けを呼ぼうにも声がでない。 
そしてついにその手招きをしている手に母の足が「コツン・・・」と当たった瞬間に 
金縛りが解けて「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜」と絶叫した。 
俺と姉が「どうしたんや?」と言って母の部屋に入ったら、そこには 
顔面蒼白になった母がブルブル震えながら頭をかかえていた。 
「い・今、私の足に・・足に〜〜〜〜!」 
怖がる母をなだめて一段落ついたが、その話を聞いた俺と姉も怖くてその日は眠れなかった。 
        
この話の他にも怖い話が勘違いも含めてあと三つほどあるけど、次回にな。