[窓]
消防の時に聞いた話。 
この話を聞いた人は系だから嫌いな人はスルーで。 
戦時中のとある一家がいて、そこには障害者の子供がいた。 
何とか生きてきたんだが、食べる物が無くなって一家は死人の肉を食べた。 
家族が食わせなかったのか本人が食わなかったのか知らんが、子供は肉を食わなかった。 
ある日、子供以外の奴等は腹壊して死んだ。 
でも子供は肉を食ってなかったからか、家族が死んでからも生きてた。 
結局餓死したんだけど。 
一家が死んでも家は無事だった。 
家自体が結構綺麗だったらしくそこに仲の悪い夫婦が住んだ。 
夫は北側の書斎、妻は南側の部屋にいて顔すら合わせなかった。 
二人が住んで何日かの晩、妻は窓ガラスの割れる音を聞いた。 
その日以降、夫の部屋から音が一切しなくなった。 
不思議に思った妻が夫の部屋に行くと、 
嵐がきたかのように荒らされた部屋の中で夫が驚いた顔で死んでいた。 
妻はすぐその家から出て行った。 
しばらくして仲の良い老夫婦がその家に住み、南側の部屋に二人でいた。 
二人は良く近所に出かけていたが、家から出てこなくなった。 
近所の人達は不思議に思って老夫婦の家に遊びに行った。 
老夫婦は荒らされた部屋で驚いた顔をして死んでいた。 
前にいた夫の部屋同様、窓が割れていたらしい。 
妻は友人に老夫婦の話を聞いて驚いた。 
自分も死ぬかもしれないと妻が青い顔で友人に言うと、 
知り合いに有名な陰陽師がいるから紹介してやると友人もまた青い顔で答えた。 
友人が紹介した陰陽師は弟子を二人連れてあの家に向かった。 
結果は弟子死亡。陰陽師気絶。 
陰陽師は少し頭がアレになっていたが、あの家で見たものを病院で描いた。 
彼は窓と人を描いた。 
窓は割れていて、人には腕がたくさんあった。 
この話を聞いた人は今晩の2時に自室の窓を見ないで下さい。 
本当に出るかは分かりませんが、何か出ても知りません。 
当時は怖かった。 
子供だから2時になんか起きないんだがな。