[音]

まあ、5年位前にあった恐怖体験。

うちの家はちょっとした高台に作られていてだな。
その周辺にはお茶畑(産地ではない)があるんだが、
数十年前(とはいっても20年位前)に遺跡が見つかって、
今現在もその場所は市の重要文化財に成っている。

そんな感じでおいらの住む団地も元はそういったお茶畑だったところの上に作られた。
まあ、その所為かわからないけど小さいころからよく夜寝てから
1階の部屋の戸が開け閉めする音が聞こえてくる。
小さきときはそれが怖かったんだが、中学生くらいになるとそれほど気にもならなくなっていたし、
1階のテレビで11PMを見るためにこっそりと一回に降りていっても何が起こることも無かったので
気にもならなくなっていた。

それが起こったのは今から5年前。時期はちょうど今ころ。12月の末日が押し迫ったころだ。
医療関係の仕事についていたので、前の前の会社にいたころの話だ。
そのころは非常に仕事が忙しくて、朝5:30に家を出て、
うちに着くのは12:00過ぎという生活の毎日だった。
そんな中、漸く何とか取れた休みの前日。ほっとして自室の座椅子に座って
ファミチキをつまみにエビスビールを飲んでいた。
するといつものようにその”戸を開け閉めする音”が聞こえてきた。
まあ、いつもだったらそのままにしていたんだが、久しぶりのビールを飲んでいるということも有って、
ちょっとした好奇心があふれ出てきた。
 ”あの音はなんなんだろう?”
そのとき行くべきかちょっと悩んだが、アルコールの力も手伝ってか、
原因を突き止めてみたいという欲求の方が上回ってしまったのだ。

今帰ってきました。血が足りないんだって。

その音が聞こえ初めてすぐに1階にこっそりと下りていったんだが、
音の方は既に止んでいた。
まあ、それで帰ってしまうのはちょっと意味が無いので、
いつも聞こえてくる仏壇と神棚のある部屋の方に向かった。
神棚のある部屋の戸を引くといつも聞こえてくる音と同じ音がするが、
だからといって何かがいるわけでもない。当然だ。自分が引いたんだからな。
んで、奥のほうに向かっていく。障子の向こうに何かいるのかもしれない。
そっと引いてみるが特に何かいる様子もなかった。

そんな感じで原因が解るわけもなく、ちょっと仏壇と神棚の方を眺めていたのだが、
そのときちょっとした異変が身体に起こったのだ。
  ”っつ!”
思わぬ異変が起こった。何か大きな力で腹を押しつぶされるかのような感じだ。
そこでトイレに向かったのだが、
そのトイレはちょうど神棚と戸を隔てて1枚の位置にあるところにあった。
そうやってトイレに向かう間にも
 ”ふうっ!!!はああ〜〜〜っ”
っと声にならない声を発してしまう今まで感じたことの無い痛みが断続的に腹に加えられてくる。
 ”もしかして十二指腸潰瘍?アルコールの所為で発症してしまったか?”
と、おもいながらとりあえずトイレに座った。痛みが断続的に来るにも関わらず
なかなかウンコの方も出てこない。そのとき壁を隔てた向こうからとを閉める音が聞こえた!
 ”何でこんなときに!?”
だけど、それを見に行くような余裕は無い。
 ”とりあえず、ウンコを出すだけ出してしまおう!”
思いっきり下腹部に力を入れると凄まじい痛みが。
反射で体が折れ曲がるような痛みが身体を突き抜ける。
それとともにもう一つ近くの居間に入る戸が開く音がする
それでも頑張ってみると!
でた!
だがしかし、”ぴりっ”そのとき嫌な痛みも同時に身体を走り抜けた。
 ”はあ〜〜〜〜〜!!!!”
別の想像を絶する痛みだった。
そう。冬だったので肛門が硬くなっていて切れちゃいましたw
いやあ、痛かったなあ。それから毎年寒くなると切れてしまいます。
その音の原因?今でもわかんねえし、今でもたまに聞こえるw


次の話

Part204
top