[ドアを蹴るモノ]
漏れは元々、心霊関係を感じる人ではなかったんだけどある時期(23〜24歳)に何やら変な感じを察知することが度々ありましてん。今はないんだけど。 
その頃の体験談を1つ。ホントに実話なのでキレイなオチはないけどあしからず・・・。 
当時、漏れはとある会社に勤めていました。 
その会社には2Fと3Fに小さな喫煙室があったんだけど、2Fは営業さんでごったがえすので、俺は3Fをよく利用してた。 
その喫煙室の大きさは畳一畳くらいの小さなスペース、扉は外からも見えるよう真ん中縦長に透明なプラスチックが埋め込まれたタイプだった。 
夕方だったと思う・・・いつもの通り3Fの喫煙室でタバコをすっていたとき、視界の端の左のドアの前に誰かが立ったような気がした。 
「誰か入ってくるのかな?」 
と思って待っていたけど、誰も入ってこない。 
「あれ?おかしいなー」 
と思っていたら、しばらくしてパートのおばちゃんが入ってきた。 
ああ、この人だったのか、と納得していたらおばちゃんが喫煙室に入るなり一言・・・ 
「あんた行儀悪いよ!今ドア蹴ってたでしょ!?」 
え?どゆこと?漏れはなんのことかさっぱりわからなかったので、おばちゃんの話を詳しく聞いてみたら・・・ 
「喫煙室の前で誰かがドアを蹴ってた!」 
っていうんですわ。 
だから、蹴ってた人間が漏れだと思って文句をいった、ということでした。 
でも、もちろん喫煙室の中にいたわけだから、当然それは俺じゃない。 
おばちゃんの誤解をとく説明をしたところ、おばちゃんは不思議がりながらもさらに一言。 
「でも、ドアの前に黄色い靴みたいなのを見たんだけどなぁー・・・」 
その言葉で、全身に鳥肌が総毛立つのを感じた。 
・・・だって、漏れも黄色い足か靴のようなモノが見えた気がしたから・・・。 
偶然の一致だったのか、なんだったのか今でもわからない。 
だけど、今でもたまに思うのが、 
あの時にドアのそばにいたアレは何だったのだろう・・・? 
偶然、おばちゃんが喫煙室に入ってこなかったら・・・・・・どうなっていたのだろう? 
気味の悪い一夏の思い出・・・。