[ねがい]
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で、その後しばらく私はそのままミナミのことを忘れてしまっていました。
メールもしませんでしたし、HPを更新することもしませんでした。
そして、半年くらいたったあと、HPは月額料金がかかっていたので解約しようと、
久しぶりに自分のHPを開きました。
すると、前の帰省の前後ですが、ミナミからのコメントがたくさんありました。
ほとんどが、ごめんね。もう会おうなんていわないからメールください。といった内容でした。
そのコメントの数があまりに多かったので、私は少しビックリして、
ミナミのHPを覗いてみました。ミナミのHPを見て私は頭が真っ白になりました。

ミナミのHPのトップ画面には、「みなさん本当にありがとう。感謝感謝です・・・」の文字が大きくありました。
その文字の下に小さく、「ミナミの妹より皆さまへ」のリンク文字がありました。
そのリンク文字をクリックすると、長々とした文字がかかれたページが開きました。そこには、
「みなさま、私はミナミの妹です。ご存知のことと思いますが、姉(ミナミ)は亡くなりました。
姉は病気と前向きに戦い、安らかに最後を迎えられました。病室でもずっと携帯をさわっていましたが、
みなさんが励ましの言葉をいっぱいくれたので最後まで頑張れたのだと思います。わたしは、姉が亡くなった
あとに姉がこのHPでたくさんの人と言葉をかわしていたことを知りました。どうか、心の片隅に姉のことを覚えて
いただけるとうれしいです。」
という内容でした。そして、最後に「特にビスケットさんとタツヤさんは姉とたくさん仲良くしてくれてありがとうございます。」
とつづられていました。

私は、頭がはりさけそうになりました。ミナミが亡くなっていることがショックで、嗚咽というより愕然としました。
しかも、ミナミが亡くなった時期は、私が帰省したすぐ後だったとわかり、私は取り返しのつかないことをしてしまいました。
ミナミが最後に会いたいと言った本当の意味を深く考えられなかった私は愚か者と思いました。
その後、私はミナミのメアドへ直接メールしました。

本当にごめんなさい。私はあなたが病気とたたかい頑張ってることも知らずにひどいことをしてしまいました。
今はかなわないけど、ミナミさんに会いたい気持ちでいっぱいです。本当にごめんなさい。
という内容を送りました。
するとミナミのアドレスから返信がきました。
「タツヤさん。はじめまして、ミナミの妹です。タツヤさんとは直接メールしてたんですね。メールの履歴を勝手に見ましたが
なんだか最後にどうしてもタツヤさんに会いたいって内容ばかり送ってて、本当にタツヤさんには迷惑かけました。タツヤさんは
あやまることはないです。こちらが妹としてあやまります。ごめんなさい。メールありがとうございました。次の墓参りのときに
タツヤさんからメールがあったことを姉に伝えておきます」
といった内容でした。

以上です。すみません。怖くもなく本当に他愛もない内容でしょうが読んでくれた人には感謝です。
ちなみに私は今、30歳で女の子持ちの一社会人です。娘の名前は妻と相談してミナミと名付けました。
亡くなったミナミは、HP上でのペンネームで実際には別の名前だということです。妻であるミナミの妹から
教えてもらいました。


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