[神社の生活]
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病院で目を覚ました後見舞いにやってきたおじさん。
聞けば、巫女の幽霊に夢の中で脅かされ。
飛び起きたら目の前に血走った目をした巫女の幽霊がいた、なんて肝の縮まる思いをしたそうで。
幽霊撃つためにとった銃も銃床でなぐりつけてもそりゃすどおりだったそうですよ。
あまりの恐さに逃げ出したら、おっかけられて神社までおいたてられたと。
だから私ね、実はあの廃墟にゃ巫女の幽霊が出るんだよって切り出して。
社務所の修理と巫女の幽霊が恐くなくなったとこまで話してやったんです。
そしたらおじさん「そりゃあんた幽霊と内縁の夫婦になってるよ」と真顔で。
退院して真っ先にお礼しましたよ。
以来ちょっと生活苦しくても巫女さんのために一膳のご飯用意してね。嫁の飯も用意できないんじゃ男廃りますし。
たぶんあれはただの夢ですが。巫女さんと何度も一晩中貪りあった。
祝言もあげましたよ。神主もいない神社ですが。まあ神前結婚の気分てね。

一年前。この神社の廃墟を含む山の所有者って方がやってらっしゃいましてね。
元々はこの神社の神主の一族だって話してらっしゃいました。
この神社別に霊験あらたかでもないし、歴史的に由緒あるわけでもなし。
終戦後の神道の混乱期に神主不在となって以来荒れ放題だったとか。
ところがみすぼらしいのは同じでも、神社がすっかり生気溢れてることに感激したって泣き出しましてね。
私に神社のある山とふもとの農地ををくださったんです。
どうせ二束三文の土地なら、活用してくれる人にもっててほしいってね。
農地はよくしてくれた農家の方に安く貸し出し。私は今東京に出稼ぎにでてます。

なかなか家にはもどれんので、嫁が夢に出てくることが多いですが。
いつかこっちもくたばって、その後ずっと一緒にいれるんだから、我慢してもらわないと。
今は金をためて、私らが死後くらすあの神社をもっとちゃんと修繕し。
もういちどちゃんと神社として神主を迎えられる状態にしないといけない。


224 本当にあった怖い名無し sage 2008/10/27(月
>>222
おもしろい人生ですね。無一文から山の所有者になるなんて。
せっかく巫女さんとも良い縁を貰ったんだから、出稼ぎしないで
なんとか自給自足の神主として修行したら?
他人から感謝され尊敬される人になれれば
もっと良いのだけれど。


227 本当にあった怖い名無し sa
>>224
そこまで達観はできないです。人間の汚い部分随分とみてきましたから。
悟ってはいても聖人とかの悟り方じゃあない。だから、徳の高い人にあこがれるんですよ。
それに大層俗物でね。
夢か現か今でもよくわかりませんが。嫁との夜のほにゃららが楽しみでならんのです。
死んだ後なら嫁と子供つくれるんだろうかとか。本気でそんな事考えてる位の俗物です。
奇人変人の類。幽霊の嫁さんもってる自称神主にならなれても。徳の高い立派な神主は荷が重い。
だから、私は生涯かけて。神社本庁に登録された神社にしたいんですよ。
こういうとこの修繕費は軽く数億すっとんでくんで。
人間一人の夢にしちゃ、これでも大分でっかすぎます。
そのために大工やってるんですがね。お宮の仕事にも混ぜてもらって。
材料費だけそろえたら、あとは自分でなおしちゃろうと。

229 本当にあった怖い名無し sa
>>227
>私は生涯かけて。神社本庁に登録された神社にしたいんですよ。

十分徳のある願(情熱)だと思いますよ。

しかし自力ではなく他力を引き付けられれば実現は早いでしょう。
貴方は虐げれた。これは大事な試練でした。
捨てる神あれば拾う神ありを地で生きていらっっしゃる。
見ていないようで誰かが見ています。
まして巫女さんも神さんも憑いているじゃありませんか。

238 本当にあった怖い名無し sa
>>230-231
お二人の話を総合してみると。
ひょっとしたら神社再建の為に選ばれたのかもしれないという気にもなりました。
もし魅入られたり利用されていたりしても後悔はないですけど。幸せですから。

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