[一本ちょうだい]

超短編だけど投下しまーす。
一応、実話なんですけど俺はブルった。



俺が自宅の換気扇の下で煙草を吸っていると、
その当時付き合っていた彼女がニコニコしながら近づいてきて言った。

「一本ちょうだい」

その子は精神的に少しおかしい子で奇行も多く、俺は別れを考えていた。
今日、自宅に呼んだのも別れ話を切り出すためだ。
そんな俺の思惑とは裏腹に彼女はニコニコと幸せそうに笑っている。

「一本ちょうだい」

俺はいいよと煙草を一本差し出す。
すると彼女は首を横にブルブルと振り、満面の笑みで俺の頭を指差した。

「髪の毛。使うから。」

(終)


次の話

Part200
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