[公会堂にて]

もう昨日の話
ある合唱祭が地元の市民会館で開かれるので、
近所の高校の合唱部が案内やら荷物係に選ばれたんだ。

私は荷物の見張り係で、公会堂という市民会館から少し離れた場所で
副顧問と友達と3人で支給された弁当食べながら、他校の生徒の鞄を暖かく見守って居た訳だ。
まぁ暇だから怖い話でもしようと流れになった。幸いにもその副顧問が自称霊感ありという先生で、
公会堂という場所も築100年以上はあるなかなか趣きのある平屋で、PM8:00、周りには外灯あまりなし、
広く地下もある建物で私達の部屋しか人がいない、遠くから発声練習の裏声が聞こえ、管理人さん不気味w
とにかくムード満点だった。
先生は初め「え〜…ここそんなに人亡くなってる筈じゃないから、出ないと思うんだけど…
なんか嫌なんだよねぇ。」と渋っていたが、やがて前赴任していた高校の話をしてくれた。
 「○○別高校の校庭のど真ん中に3本の木があるんだけど、どれが1番やばいと思う?」
 「3本なら、やっぱ真ん中ですか?」
 「そう。真ん中だけリスも寄り付かないの。端の2本は実がなるけど真ん中だけ実もならない。
 寄ってくる動物はカラスだけ、なんででしょう?」
 「(えっ…分かる訳ないしw死体が埋まってるとか?)・・さぁ〜?」
 「実はその真ん中の木で首吊り自殺があったの。しかも何回も。」
 「おぉう…。(オチは?)いやぁ気持ち悪いですね。あはは。」
 「皆学校祭とかあってもその周りには絶対近寄らないんだ。引き寄せられたら困るからね。」
てな感じのなんかモヤっとした怪談や自分の金縛り体験とかも交互に話していた。
で、友達が怖いから手相の話しようと先生に言い出し、私はあんま興味なかったので、
ちょっと離れたトイレまで探検しようと思って薄暗い廊下を歩き出したんだ。

 (まだ幽霊はお目にかかった事がなかったけど、今日は見える気がする。)
そんな気がして真っ暗な部屋を覗きまくってトイレまでの道を楽しんだんだけど、(ちなみにトイレより奥は封鎖)
真っ暗なトイレを眺めてたら私が来た方向から小走りする感じの足音が聞こえてきて
(此処まで来るなんて只者じゃない。もしかして・ついにご対面!?)とwktkしてたら…現れたのはMIBの映画に出てきそうな管理人さんだった。
 「・・・。」
 「あっ、トイレの電気は入ってすぐの右側にあるからね。」
 「あ、ありがとうございます。」
そして彼は去っていった。
 (まぁ結局幽霊なんてね。。)
そう思いながらもさっき覗いた部屋をもう一度見てたらなんか違和感があった。
水の音、入り口すぐの流しの蛇口から少し水が流れていた。
さっきはなかった気がする・・・まぁ勘違いかもしれない。
その時点でちょっと怖くなって大人しく真っ直ぐ戻ることにした。
古い家はやたらと軋む。 自分重いのかとへこんだ程。
そのギシッギシッ・・・って音にキィキィ・・って音が混ざるようになった。空耳とかではなく。
肝心な時にチキンの私は振り向けず早歩き。だって管理人さんはこっちの方へ歩くのを見たし、これ以上先に人は居ない。
これはやばい・・追いつかれたら洒落にならん・・。
徐々に速度を上げるとキィキィも速度を上げて着いてくる。
しかもよく聞いたらその足音かたびっこひいてるような感じなんだ。
もう半泣きで走って皆の部屋まで戻ったよ・・・。

友達は音楽聴きながら勉強してて慌てて入って来た私に気づかなかったけど、先生は私を見てすぐ目を逸らした。
えっ!?やっぱりなんか憑いてる!?そう聞こうとしたら管理人乱入でタイミング良く解散。
結局もう怖くて寝れなくて今に至る。

しかも私は後ろを見てないはずなんだけど、何故か彼の姿がはっきりイメージ出来るんだ・・・。


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Part197
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