[追跡者]

子供の頃、みんなで良く遊ぶ公園が市内にあった。
城跡がベースの公園で、噴水もある結構大き目の公園。
そこでいつも放課後の昼下がりなんかに、かくれんぼや鬼ごっこをして遊んでたんだよ。
中学っていっても遊ぶ内容はまだまだ小学の延長みたいな感じ。

そして、春のある昼下がり、いつものように友達と公園に集まって遊んでた。

「ふ〜、あっちー。ちょっと休憩するべ」
「おいすー」
俺「俺ちょっとションベンしてくる」

そういって俺は公園の公衆便所に入った。

俺「ん?なんだこりゃ」

ふと視線を移すと、便所の片隅になにやら小さなバッグらしきものが置いてある。

こんな公園のこんな薄暗い公衆便所にバッグの落し物。
当然、その中身が気になった。
周りはもちろん、便所内にもそのバッグの持ち主らしき人は居ない。

俺は友達を呼びに行くことにした。
俺「おい、便所になんか落ちてるんだけど」
「ん?なになに」

そういってみんなで便所に来た。
バッグを開けると、そこには一人の爺さんが移った証明写真のような物が。

「おい…なんか気持ち悪くね?この持ち主どこ行ったんだ?」
俺「いやー、結構前から落ちてたみたいだよ。俺がしょんべんしてる時も誰も居なかったし、
 それに、お前らも便所に誰も入ってないのは見てるだろう?」
「つーかここ女便所だろw お前なんでここでしてるんだよ」
俺「あっ そうだった」

そういえば俺が入ったのは女便所だった。
ションベンに急いでいたので気づかなかったのだ。
ん?まてよ―――― 女便所にじいさんの写真。

俺「おい、警察だ。警察に届けるべ」
「マジかよw」

何か只ならぬ物を感じた俺たちは、そのまま近くの交番にそのバッグを届ける事にした。
バッグを持って便所から出ようとした時だった。

便所から出ようとした時。

「まで〜〜〜〜〜〜〜」

「うわっっなんか来たぞ!」
俺「逃げるぞ!」

便所から出た時、公園の茂み方から変なじじいが物凄い形相で走ってきた。
俺たちは自転車を止めてある場所まで一目散に走った。

「早くしろって」
「やべ、チャリの鍵あかね」
俺「何やってんだw」

ガチャガチャガチャガチャ

友達の一人が、チャリの鍵にてこずっていた。
その間も

「までーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

じいさんが腕を90度に固定してジャングルジムの所まで迫って来ていた。

最早チャリンコを諦めるしかなく、その友達は走り・他はチャリンコという形で俺たちは走り出した。

「まで〜〜〜〜〜〜〜〜」

「やべーしつけーなんだあのじじ〜!!」
「知らねーよ、変態だべw」
「笑ってる場合じゃねぇーよ」

公園を出て、交差点を突っ切り
細い路地に入った所で、じじいは追って来なくなった。
みんな息切らしてた。

あのじじいは一体なんだったのか、今でも謎だ。

書いてて思ったけど、結局オチない。ごめん。


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Part195
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