[詰み]

当時高校生だった僕達は、先輩の車に乗せてもらいよく肝試しに行っていましたた。
千葉県内の肝試しスポットは粗方行き尽くしました。

その中でも正に「洒落にならない」と思ったのが、
今や超有名スポットである
東○金市雄○ヶ池です。
そして近隣にある「活○」という元ホテルの廃墟。

ここでは池であった事を少しだけ話させて頂きます。

池は全長2〜3q(?)の遊歩道に囲まれており、
日中の時間帯だけ開放されてます。
夕方になると閉鎖され、立ち入り禁止となります。
僕らが行ったのは深夜1時頃だったと思います。
回りに他の肝試しグループも見当たりませんでした。

遊歩道の入り口の門を乗り越え、携帯の明かりだけを頼りに進み始めました。
人数は6人。

歩き出して20分ぐらい経ち、特に何も無いまま出口の門の前まで来ました。
そこは駐車場の明かりが届いてきていて、比較的、というかかなり明るくて、
回りに木が生い茂ることもなく、開けた場所でした。
携帯の明かりに頼ることももう無いだろう、という安堵と共に携帯をしまい、
出口に向かい歩き出したその時、
フッと駐車場の街灯が消えました。

当然、その場にいた面々はパニックになります。
僕は暗くなったくらいで何を大袈裟な、と思いましたが、暗くなる一瞬、
2、3人が何かを見たと言う。
何かと問いただせば、池の中から男が這い出して来ている、と言う。ここから水面まで距離はおよそ10m。

慌てて携帯を開き、明かりを頼りに脱出しようと試みる。携帯の光では湖面は見えない。
皆で急いで出口の門まで駆け寄る。

「待って!行っちゃダメ!」

急に怒鳴るような声を掛けられて皆一斉に足を止める。

「そっちはダメ!絶対行くな!!」

その、尋常ではない忠告、いや、警告に皆顔を見合わせる。

「その門の近くの木!
そこ!枝の間に女の顔が!
凄い形相で!近づいちゃダメ!」

じゃあどうしろっていうんだ?!
池には男、出口には女、なぜか脳裏に「詰み」という言葉が浮かんだ一瞬、
駐車場の明かりが点いた。
もう邪悪なものは居なくなった、となぜか体感した。

いつもなら池→廃墟という順序で回るのですが、その日はもうぐったりしており、
さっさと帰りました。

その帰り道で事故に遭い、みんな  ました


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Part196-2
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