[引っ越し先でも]

中学卒業と同時に家族は青いおじさんの居る社宅から出て
親父の購入したマンションに引っ越した。
元工場の跡地らしく、かなり大きなマンションだ。
漏れはその家が気に入らなくて気に入らなくて仕方が無かった。
がきんちょながら何となく分かってたんだろうな、その後の事を

引っ越してすぐおかしな事は始まった。
漏れはロフトベッドを使ってたんだけど、ものぐさな漏れは
脱いだ服をベッドの上に放り投げてた。
んで、そのまま夜寝てて寝返りを打つと、
たまに脱いだ服が落ちる訳さ「とさっ」とね。
引っ越して少ししたある日、夜中に寝返りを打つと「とさっ」と音がした。
またシャツが落ちたと思って、ベッドの縁から下を見下ろしたが、
床には何も落ちてない。音はしたのにシャツは無い。
そんで、おかしな物を見つけた。
ロフトベッドの下に机を配置していたんだけど
机の上にコケシが立ってる。
漏れはそんなもん持ってない、寧ろ、家族中が日本人形系が嫌いで
その手の物は1体も家には無いはずなんだ。
でも、机の上に普通に立ってる

すげー怖くなった漏れは梯子を転げ落ちてトイレに逃げた

しばらくして、ちょっと落ち着いてから部屋に戻った
ドアを少しだけ開けて机の上を見てみたら、そこには何も無かった。

寝ぼけてただけかな? そう思って安心した漏れが馬鹿だった。

梯子を上って枕元に目線を持っていった瞬間、目が合った。

ロフトベッドて、4隅に柱と長辺に手すり短辺に梁(?)があって
漏れのベッドには細い梁が平行に2本走ってたんだけど、そこから
でっかい子供が見てるんだ。
上下の梁からは向こうの壁が見える。
梁の間の高さ15cmくらい、横1mくらいの隙間から、
顔が横幅いっぱいのサイズの子供の目がこっち見てんるだ。
漏れはそのまま気を失ったらしく、梯子から上ったすぐのトコで
前のめりで寝てるのを翌朝おかんに起こされた。
もちろんその時はもー顔なんて無かった。


次の話

Part195
top