[宅配]

宅配の仕事をしてた時の話。
とあるマンションの一室に配達することになったのだが
そのマンションが結構古びてて雰囲気のある感じ。
確か12、3階建ての最上階が配達先だったと思う。
音がでかくてスピードの遅いエレベーターで配達先を目指す。
その部屋の前までいったらドアが15cmほど開いてた。
無用心だなと思いつつ呼び鈴をおす。
反応がない。もいっかいおす。
開けっぱで留守かよと思いドアの隙間から覗いてみた。
椅子に寝そべるように腰掛けた素っ裸で人が殺されてる!!
よくみるとそれはマネキン(等身大で関節部が動く人形)の胸に刃物が三本刺さってる。
長髪で帽子を被った男の人形。
裸なのに何故帽子だけ?
部屋は薄暗く水槽のコポコポいう音だけが聞こえる。
気味が悪いけど仕事なので、もいっかいだけ呼び鈴をおし不在票をいれ帰ろうと思った。
不在票を書き終え前を向くとドアの隙間から女が覗いてた。
30〜40くらいの異様に痩せたオバサン。
無言でじっとこちらを見てる。
「〇〇さんですか?私…」と定型文の挨拶をして荷物を渡し逃げるようにエレベーターに。
そんなことはないだろうと思いつつ荷物を渡してる間殺されるのでは?と怖かった。


次の話

Part195
top