[辞世の句]

倭漢スバ 悪巣トシ
風源クチテ 短鬼シキトス

流見スバ 五霊トシ
火呪クチテ 長龍シキトス

父ハ胃ノ中
母ハ井ノ中
兄ハ地ノ中
姉ハ血ノ中

上記の文は、大正時代に家族を皆殺しにした末男が
死に際に自らとその家族の血で綴ったと言われる、辞世の句である。

彼は、家族を恨んで皆殺しにしたのではなく
彼の家が部落内でもよそ者として扱われており
ある事件をきっかけに家族が想像を絶するような虐待にあった。

彼はその事件のきっかけとなったため、家族に対する愛と
虐待をした部落に対する深い憎悪のため、
殺すことで家族を楽にし、自身が死ぬ間際にこの辞世の句を
血で綴ったのだ。

ここまで書けばお分かりだろう。
この辞世の句にはある種の「呪い」がかけられているのだ。

この句を読むと、数日以内に彼がやってくる。
彼はあなたに質問する。
間違った答えだと、あなたはは死んでしまう。

彼の問いは「僕はどこ?」

答えは、日本人であれば句をじっくり読めばすぐ分かるだろう。
分からない人間、それが彼にとってのターゲットだったのだから。


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