[確認]

週末、車で東北地方へ行ったんです
高速道路ペースがゆっくりなんです
ガソリン高でエコドライブ&安全運転も結構ですが
遅すぎる車を遅い車が抜くから
なんだかかえって危ない感じでしたね

実はとある東北の田舎で納骨式だったんです
暑かったですねぇ…でも今は田舎の寺でも冷房効いてて
温暖化対策なんてもうねwサミット(笑)

でも納骨ですから墓地に行くわけです、炎天下
まぁこれもなんとか我慢してな昼食にあわせて直会です
田舎の料亭ですから迎えのマイクロバスがこれオンボロw
それでも冷房が効いていてホット一息

僕は最後にマイクロバスに乗り込みました
施主の横しか席が空いてなくて
親族とは言ってもほとんど顔も知らないような
そんな関係ですから気にもしないで座ったんです
そうしたら彼が何か小さな声で呟いたのです

小さな声で、でも何か確認するような口調で言ったのです

『これで死んだか』

確かに納骨も済み、法要も済み
肉体も精神も確かにこの世を去ったことにはるでしょう
それにしても彼の言葉には何か鬼気迫るものを感じました
その彼が今度は急に落ち着き無く虚ろな表情で車内を見渡し

『全員死んだか』

と呟いたのです
いや生きてる、これから直会だろう…恐怖を感じました
なにせ酷い田舎です、どんな風習があるかわかりません
故人は云わば長老でしたから、何か特別な儀式が始まるのだろうか…

そのとき僕はある会話を思い出しました

その会話は昔TVで観た漫才の会話でした
車掌『おちるかたがしんでから、おのりください』
客『…!』

まさかこのシチュエーションを生身で体験するとは!

実話<完>


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Part194
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