[始まりはフロントガラス]

朝、仕事に行くために車に乗ろうとしたら
フロントガラスがバキバキになって盛り上がってた
庭に兄の車、親父の車、俺の車。って3台置いてあるんだけど
なぜか俺の車だけそんな目にあってる
しかも俺、前にも一回車上荒らしに遭っててその時にはカーナビとかごっそり持ってかれてた

「うっげ!んだこれ!ざっけんなちきしょあfsdlf!!」

車上2回も食らうとかドンだけ不幸だよとか思いながらも
時間なかったので兄の車で取り合えず仕事に行く
できれば警察には早めに行っておきたかったんだけど結局仕事終わるまで行けなかった
仕事終わって彼女さんの勤める保険屋に連絡

「どんな風になっちゃってる?何か盗まれてる?」

って彼女さんに聞かれて初めて自分の車の状態を確認。
あら?今回はステレオとかナビとか全部無事だ・・・
一通り見て回ったけどフロントガラス以外は異常なし

「や、盗まれた物とかは無いみたい。ガラスが割られただけっぽい」
「んっと。それじゃ後で状態見に行くね」

取り合えずその間に警察に連絡
で。彼女さん来て写真取るってんで取ってもらった
多分これが悪かったのかなーって。今は思う

結局保険でガラス直してどうせ犯人も見つかんねんだろなー
とか思いながら4、5日たった頃、彼女さんから連絡

「どうしよう、ストーカーみたいなのがいるかもしれない・・・」

当然。彼女さんを守るべく俺は無駄にやる気ムンムン出してた
警察にも一応相談したが相手が別段何かしてるという訳じゃないので結局何もできないとの事
話し聞いてみると確かに何かされたって事じゃないらしい
彼女さん毎朝ジョギングしてるんだがその最中に同じ男がこっちを見てるってだけ
一日目に見かけて怖くて引き返したが、それが2日目、3日目も続いたらしい
たまたま居ただけかも?とも思ったけど何かあってからじゃ遅いし
一緒にいた方が良いかと俺もジョギング付き合うことに
当時は冬場で朝のジョギングっていっても5時位なのででまだ全然暗かった
この状態で毎朝同じ奴に見つめられたら俺でも怖いわwとか思いながらひたすら走る
途中周りに住宅が無い公園に来たあたりで

「いつもね。そこの公園の木の陰にいるの・・・・」
「うえ。それ本物かも知んないなー」

とか話してたら



    居   た


ホントに居た、木の陰から体半分出してこっち見てやがる

怖ッ!!!!
いや、本気で怖いんですけど!とビビってたけど
彼女さんしがみついて来るし退くに退けない状況
とりあえず

「オハヨウゴザイマス!」

って声かけた、情けないことこの上ないが多分声は震えてたと思う
でもそれ位怖かった
しかも大声で喋ったら何か反応あると思って頑張ったのに音沙汰なし
相変わらずこっち見てる

「返事が無い。唯の屍のようだ・・・・」
「・・・・・・・」

必死に冗談で自分と彼女さんの精神の安定を図ってみる、が彼女さんは怯えっぱなし
(しかしよく考えるとこの状況でこのギャグは最低だったな、と今は反省してます)
これ、本気でヤバイし逃げた方が良いなと思った瞬間
そいつは後ろくるっと振り返って何事もないように歩いてった
でもさ、それも怖いんだ。
だってそいつの後ろ丁度森になってて道なんか無いしそのすぐ先は崖になってんだから
結局その後すぐに逃げ帰って来て、彼女さんが落ち着くのを待った
もう仕事行ける気力も無かったし
しばらくして彼女さん急に鞄から書類取り出して

「これ見て。○○さん(俺)の車の写真」
「???」

改めて言われなくても自分の車の写真なんてのはすぐ分かる
でも分かんないのも一緒に写ってた

「・・・・これ誰?」

車の横にバッチリ人が写ってる。しかもどっかで見たような奴が

「私も、今日ハッキリと見るまで分かんなかったけど、あの公園に居た人に似てない?」

ですよね・・・想像したくないけど
写真取ったときに俺達以外誰も居なかったのは覚えてるし
第一こんな奴知らない

「心霊写真なんて馬鹿にして友達と盛り上がってたのが悪かったのかな・・・」

そんな事してたんですかあなた・・・・
とはいえ、元凶が自分の車なら彼女さんには迷惑かけてしまってるし
いや、そもそもなんで幽霊が映るわけ?
ってか、俺ひょっとして幽霊に車上荒らしされたの??
とか脱線しつつ思考をまとめてみる

続く