[夢うつつ]

ある日のこと、電車でうつらうつらと居眠りをしちゃったんだ
まぁ、これはよくあることだとみんなわかると思う
不覚だったのは、これが最終電車で折り返しの電車もなかったこと

終点で車掌に起こされた俺は仕方なく、終点駅の改札を
乗り越し料金を払って出て、明かりが落ちて暗くなってる商店街の
近くの公園のベンチに腰を下ろした
タクシー呼んだりホテルとまったりするのには財布の中身が
少なすぎて、仕方なくここで夜を明かすことにした
寝ちゃうと変な犯罪に巻き込まれそうだから
ケータイいじったりアイポッド(まぁ正確にはgigabeatだけど)
を聞いたりしてた。2時半を超えたとこで
やることがなくなりあたりをきょろきょろ見回すと
商店街の横道?というか食堂街みたいな、なんか
食べ物やが連なってる場所あるじゃん?あそこの電気がついてた
俺は特にやることもないのでふらふらとそこを覗いて見ることにした

中ではみんな人肉を食べてた

俺は悲鳴を上げて飛び出すと、偶然そこにお巡りさんがいたんで
助けを求めた。お巡りさんは困った顔をすると
「お酒の飲みすぎですよ」って言って食堂街に入っていった。

しばらく時間がたって食堂街を除いてみると
お巡りさんもネクタイを緩めて仕事帰りのサラリーマンみたいな
感じになって人肉をつついてた

そこで目が覚めた
まだ自分は電車の中に居た
時間もまだ20時ごろだし、最終電車とは程遠い
どうやら夢を見ていただけのようだったが
体中、汗びっしょりになっていた。

ふと、妙なことに気付いた
車両の中に誰もいない
電車の中をうろちょろしてみるが
運転席にも車掌室にもどこにも誰もいなかった
勝手に電車が走ってるだけだった

そこで目を覚ますと、自分はベンチで寝ていた
音楽聴きながらケータイいじってるうちに寝ちゃったらしい
目の前を元気よくランドセルをしょった小学生が通り抜けていった
念のため、食堂街をみてみると、普通の居酒屋とかが並んでいた

ただ、不思議なことにケータイから謎の番号の着信が何度かあった
ググってみるとここの管轄の警察署の番号らしいが身に覚えがない
あと、乗り越し料金を払ったはずの切符がまだ手元にあった


次の話

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