[豆]

これ、くだんねー話かもしんないけどよ
書かせてもらうわ
まだ、俺がさ厨房のころの話なんだけど
足に豆とか出来るとついついはがしちまったりする癖があったわけよ
でゲームしながら足の裏を見てみたら
左足の親指の付け根に豆みたいなのが出来てるわけよ
でもはがしたら痛そうだなーと思って
そのときは剥がさなかったわけ

んでさ、まだガキだったから11時ごろにはもう寝たわけ
夢の中でさ、なーんかネズミよりはでかいんだけど
小型犬とかそれよりは少し小さいくらいの
生き物?がさオレの足の指の豆見たいなのを
必死にベロベロと何か言いながら舐めてるわけ
本当に小さな声でぶつぶつと言ってるからぜんぜん聞こえなくて
耳をそばだてて聞いてみても聞こえなかったわけ
・・・後…す…ってとこが聞こえたら目が覚めたわけ
次の日にさ友達とかに相談してみても
うっそだーとかしか言わなくて
全然信じなくて豆を見せてやったわけよ
そしたら友達が「おまえ…これいたくねーのか?」
て言われてから初めて豆を見たわけ
そしたらさ真っ赤になってて最初の1・5倍近くでかくなってる訳よ
気にしないで家に帰って生き物が何言ってたのか
聞き取るために寝たわけよ
そしたらさ、昨日はネズミよりでかいくらいだった生き物が
中型犬くらいのでかさになってて
声もでかくなってたわけよ
後少しで…ふ…が解け…あと少しで封い…が解け…
んで予想としてはあと少しで封印が解けるって言ってるんだなぁって
夢の中で変に冷静になって考えてたわけそこで目が覚めて

豆を見たわけよそしたらさ
真っ赤なのは相変わらず何だけどよ
中で本当に小さい何かが泳いでるように見えたんだよ
これはやばいと思って夏休み中だったから
親に言って神社やってる親戚のおっさん家に行くって言って
おっさん家に行った訳だよそのおっさんにさ足の豆を見せたら
急に険しい顔になって「いかんな…」って言ったと思ったら
奥の部屋に引っ込んでって懐刀と瓶に入った水を持ってきたわけ
何それ?って聞いても答えてくれなくて
行き成り鞘から刀を取り出して
足の豆に当てて「目を瞑れ何があっても目は開けるな」
って言われたから大人しい子供だった俺は素直に言うこと聞いたわけ
豆に冷たい感触があたった後に
男みたいな女みたいな子供のようで老人のようでもあるような
短い息を呑むような悲鳴があがった後に
足にとんでもなく熱い熱湯がかかった様な感覚がして
思わず飛び上がったわけよ
叔父さんに目を開けていいぞって言われて目を開けたら
5〜6cmくらいの魚みたいなのが瓶に入ってたわけ
瓶の水が減ってたから熱湯みたいなのはあの水だったんだなーって
思ったわけんでさ、その魚が赤みがかったとかそういうレベルじゃなくて
真っ赤だったわけ金魚とかも顔負けなくらい赤くて

おじさんが言うにはオレはあと少しで人間じゃなくなる所だったそうだ
あの魚はオレの事を畜生道に貶めようとした悪霊が入れた物だったそうだ
本当かどうかは知らんがあの豆の後は今でも残ってる
あの魚がどうなったかは知らない
終わり


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