[実況メール]
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何が起こってるのかわからない。叫び声や走る足音に混ざり、耳障りな笑い声。
私は身動きも出来ず、携帯に耳を傾けながら祈り続けていた。
誰かの名前を鳴きながら叫んでいる声、断末魔の様な絶叫。悲鳴、笑い声、悲鳴、笑い声…
頭がおかしくなりそうだった。
どうしたらいいかもわからず、携帯から耳を離す事も出来ずただただ泣いていた
暫くすると、まるで嘘の様に静まり返る携帯…
私は意を決して、警察に電話をする。
怒られた…が、一応現場に行ってくれるらしい。
一安心…とはいかず、不安に苛まれる。
私は車のキーを握りしめ、玄関を飛び出していた。
警察も来てくれるなら大丈夫!何て甘いこと考えながら、現場に向かった
現場に向かう途中何度か電話がメール着信は通常着信を知らせていたが、気づかないまま現場に到着した。
怖くて車から降りるのを躊躇する。警察はまだ来ていないようだった。
ふと、携帯の着信に気付き、慌てて見てみる。
A君からの着信とB子からのメールだった。
「助けて」
「ここだよ」
「早く来て」
「警察」
その後本文なしメールが三通…何か添付されている…
意を決して開けてみる…
息を飲んだ。言葉にならない
画像には参加者達を掴み笑う見知らぬ女
女の目
最後は動画で何かを呟き笑う女
真っ青になって逃げ出そうとした…
その時、後ろから赤色灯が近付いてきた。一瞬の安堵の後慌ててパトカーに向かう。
二人の警察官に事情を話し、携帯画像を見せると、一人の警察官が応援を要請していた。
静まり返った病院に警察官二人が向かい、私は後発隊を待つように言われた。
程なく、後発隊も到着し、全員で病院の中に向かう。
暗くジメジメしていて、恐怖を纏う病院の中へ

暫くすると無線から声がした、二階にて人を発見したようだ
慌てて私達は向かった。
204号室…にベットが6つ…そこに全員寝かされていた
警察官達が近寄り声をかけるが反応がない。
救急車の要請…運び出し…呆然とする私の前でどんどん救出されていく。
全員が運び出され、私は事情を話すために警察に向かう。
警察署につく頃には朝になっていた。
警察官には信じてもらえなかったが、画像や映像を見せて話していく
だが、画像も映像も一切怪しい所はなく。更にはA君の携帯には発信記録さえない。
その後何度か警察署に呼ばれ事情を説明した。
あの時の六人は二人は未だ意識不明…二人は精神を病んで入院…二人は不可解な自殺
という、激しく鬱になる結末だった。
私は必死にこの出来事を忘れようと努力した。
携帯は勿論新規に買い換え、古い携帯は怖かったのでお寺に預けた。
あれから1ヶ月がたち、私はあの出来事はあまり思い出さなくなっていた。
そんなある日…自宅で寛いでいると携帯が鳴る
携帯を見る…違う…どこから…クローゼット…恐る恐る開けてみる…古い携帯…あぁ…私は逃げられないんだ
鳴り続ける電話を見つめ…何かを諦めた

一応完結チックですが、続編もあります。焦ってバイバイさるさんになってて書き込めなくなり、ごめんなさい

続く