[気になる声]

怖くなかったらスマソ。
大学生だったときの実話を投下。

ある日俺は海へ釣りに出かけた。
しかし何時間粘っても一匹も釣れないので、早々に納竿した。

車での帰りの道中、名も知らぬ池に通りかかった。
「なんだか良い感じの池だなぁ、海で全く釣れなかったから今度は池でバスでも狙うかぁ」と思い釣り始めた。


しばらくして「※※※※※…」と女性の声が近くで聞こえた。
ん?なんだろ?風の音かな?

あまり気にすることなく釣りを続けた。

しばらくすると今度はもっと近くで女性の声が聞こえた。
「※※※※※※で…」
なんて言ってるのか分からない。
早口で高い声。まるでビデオテープを逆再生したときのような感じの声。

なんだろ?この池は見晴らしがいいから、近くに人がいれば絶対にわかるし、車の通りだってまばらだ。今日は無風だし。

さすがに気味が悪かったけど、釣りに夢中であまり気にとめなかった。
夕方になり、空が曇ってきた。
水面に揺蕩う木の葉が、何故かさっきから円を描くように動いていて不気味だ。

しばらくするとまた例の声が…。
今度は耳元で…。

「※※※※※※ないで…。」

最初のほうは聞き取れなかったけど、語尾は「ないで…」というとこははっきり聞き取れた。後ろを振り返っても誰もいない…。
さすがに怖くなって釣りをやめて、ダッシュで荷物を片付け池を後にした。

そんな出来事を忘れつつあった後日。
そういえばこの前行った池、過去にバスが釣れた実績とかあるんだろうか、
たしか立て看板に「A池」と書いてあったな、ちょっとネットで調べてみようと思い「○○県 A池」と検索してみた。

だけどそれによって導かれた検索結果は、過去に何か釣れたという実績ではなかった。

その池の周囲で以前、女性が殺されており、何年も前から霊が出るという噂が絶えないということ。
それと、落池した人が何名も命を落としているということがわかった。
あまりその池に近づく人もいないそうだ。

そんなとこで一人シコシコと釣りをしてた俺…。
あの女性の声は何を意味していたのか…?
もちろんあの声が霊的なものである証拠も確証もないが、はっきりと聞こえた高く早口の声は今も耳から離れない。

「※※※※※※ないで…。」


次の話

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