[過保護]

以前、オカ板で私(と母の体験談)のスレを作って頂いた者です。
今日、電話で母と世間話をしていた時に思い出した話をします。

私には小学校の頃からの親友が居ます。
お互い4人兄弟。
お互い末っ子。
お互い母子家庭。(当時)
同じクラスで同じ団地(後から私の家族が引っ越して来ました)で
成人してもお互い結婚して子供が出来ても
仲良くしてました。

私のすぐ上の兄とは7歳離れていまして、親友の一番上のお姉さんと兄が同い年。
なので母は親友兄弟を自分の子のように可愛がってました。

その親友の長兄(Kさん)が、母に家を出たい、自分の母親の束縛から離れたい。と
相談してきて、母は
「資格も学歴もないんじゃ、どこも務まらない。それだったら自衛隊に行って
体を鍛えて(Kさんは甘やかされて育てられたので体が物凄く弱い)資格とっておいで」
とKさんを励まし、自衛隊に行きました。
おばさん(親友たちのお母さん、Kさんを甘やかしまくった人)からは何か文句言われたらしいけど
母はKさんの再起を信じなさい。とだけ言ってました。

自衛隊を任期終了まで終えたKさんは自宅に帰った途端、
おばさんがかなり束縛、過保護、過干渉をしまくり。
母とも取り次がず、Kさんはおばさんの恋人の仕事(テキヤらしい)の手伝いをやらせて
監視体制を強いてました。
次第におかしくなるKさん…。
メンヘラになり、私の母に会いに来た時
(この時の私の実家は団地ではなく、山の中の一軒屋でした)
…は別人のようになっていましたが
母には
「おばさんに会えて久しぶりに笑えたよ。今度、女の子連れて来ていいかな?」
と幸せそうに言ってたそうです。
母が「恋人なの?いいわよ、連れてらっしゃい。」と言ったら
顔を真っ赤にして
「そんなんじゃないけど…同じ病院で出会った子なんだけど、とても良い子なんだよ。」
とはにかんでたそうです。

しかし、それから全然連絡もなく母も私も
「いつ来るかねー?」
何て言ってたある日曜日のお昼。
母が
「今、誰か庭にいた!」と私の部屋(1F)に来ました。
え?と私の部屋から庭を見たとき、黒いヘルメットで黒い革ジャンを来た人が
歩き去って…消えました。
何だったんだろう…と母と話し合った次の日
母が仕事中の私の携帯に電話してきました。
「Kが自殺したって…一昨日の夕方だって…」

団地の自室で、首を吊った状態でおばさんに発見された時にはまだ息があったそうなのに
おばさんはただどうしていいか解らずに放置して
恋人に電話して恋人の指示で警察に電話した、という話でした。
自殺の原因は、おばさんの過保護・過干渉で、恋人になりかけていた女の子との
友達からの交際を物凄く反対されたのを苦に、だそうです。
黒いヘルメットと黒い革ジャンは、Kさんの部屋にあったと親友から聞きました。
「死んだ翌日になって、お別れの挨拶に来るぐらいだったら、
どうしてウチに逃げてこなかったのかしら…悔しい…!」
と母は泣いてました。
おばさんは団地を追われ、親友が結婚して構えた家に引き取られましたが
親友は「母さんがお兄ちゃんを殺した。」
と今でも恨んでます。

母は「Kの姿はここ(現世)にはないから、無事に旅立ったみたい。」
と言ってました。


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