[近づくもの]

小さい頃、夏に田舎の祖父の家へ帰ったときの話

私は海の方が好きなのですが、その頃はまだ弟が水嫌いだったので
夏はいつも田舎の祖父の家へ里帰りしていました。
祖父の家の近くには山があり、やることの無い私はいつもそこにある段々畑の
一番上から景色を眺めていました。
畑から見える祖父の家は親指くらいの大きさで、よく庭で蟻くらいの大きさの父が
タバコを吸う姿を観察していたのを覚えています。

いつものように景色を眺めていると、白い変なものが見えました。
大きさは庭の父と同じくらいに見え、少しフワフワしているようでした。
少し距離はありましたが、それが移動する方向には祖父の家があり
そのときは鳥か何かだと思いあまり気にもとめていませんでしたが、
徐々に家に近づいて行くので、当時私にはあまりなかった好奇心が芽生え、
家に戻ってその何かを確かめに行くことにしました。

山を降り家の周辺を見渡しましたが、それらしい何かは見当たりませんでした。
もしかしたら父は見たかもしれないと思い、家に戻ったのですが
中には誰もおらず、玄関の扉も開けっ放しでした。
私は
祖母&祖父→山 父&母&弟→出来たばかりのコンビニ
へ行ったのだろうと思い、そのまま居間でTVを見ていました。
しかし、それから10分足らずで皆が戻ってきたので
不思議に思いどこへ行ってたのか聞くと、父が

「皆で川へ行ってたんだよ」

結局何かの正体はわかりませんでした_


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