[F-19]

俺が大学生だった頃の話。
金がなかった&人付き合いの苦手な俺は映画館の掃除のアルバイトしていて収入もそこそこだった。
結構田舎なので(アルバイト先が)普通映画と子供アニメ映画とヤクザ映画があって
普通映画の日にはお金などが落ちていてラッキーなのだが子供アニメ映画の日は
オムツが落ちていて最悪な気分になるのを今も覚えている。
だがこんなのは序の口。ヤクザ映画の日には指が落ちているそうだ(先輩談いわく
掃除は夜中あって、待合室?みたいなところで待たされる。
さー今日もキレイにするぞーと思って、映画館のドア開けようとしたら
鍵が掛かっててドアが開かない。ハァ?と思って鍵を貰いに先輩のところに行く。
「今日は止めておけ、怒られてもいいから今日は行かない方が良いぞ。。」
なにビビってんですかww!と馬鹿にして、鍵架けから鍵をとり、ガチャと入りこむ。
落ちてる落ちてる金が落ちてる、と思いながら火バサミで取っていく。
うん?あれれ?B級ホラー映画に出てくるような女がF−19に座っている。
F−19は後ろの右の端の方で、前のほうを掃除していて最初は気付かなかったが
ハッと気付く。
「うわ!コワ!」と思ってダッシュででようとしたら先輩が
ドアを開けて「だから言ったろ?早くこい!」といって出してくれた。
上の映写室から見ていて、俺のほうに向かってきていたから助けてくれたらしい。
でも俺が見た時はF−19にすわってましたよ、と言うと
「俺も昔はそれで助けてもらった。それ以来この日はそうじしないことにしてんだ。(何日か忘れたw」
新人だった頃の先輩も、助けてもらったらしい。
明日の朝にやるから帰っていいぞ。そういって俺の手から鍵をとり一人F−19
へ向かっていった。


次の話

Part188menu
top