[犯人]

僕のいた中学校では、変な遊びがはやってた。
男子だけのカルトなブームというやつで、
嫌いなやつの写真を写真立てにかざり、ガス銃で撃つ。
僕のグループは同じクラスの男子の半分十人くらいだった。
これがあったからか、皆嫌いなやつはいても、暴力やらイジメまではしなかったけど。
中学生にしてはとても不健全な遊びだったと思う。


中でもAはこの遊びに御執心の一人。
そしてAのいないところでは、写真に飾られた回数が多分一番多かった。
Aはガス銃といってもアサルトライフルタイプのものを使い、嫌いなやつの写真を沢山もってきては乱射した。


ある時、Aがいないところで。
みんなでAの写真ばかりを立てて撃っていた。
その帰り道、コンビニによって出てきた時、パンッという音とともに、一緒にいたBが顔を押さえてうずくまった。
聞きなれた音はピストルタイプのガス銃の音と思った。

僕「イ`」
B「復讐キタコレ ITEEEEEE」
C「Aならやりかねんようなギガス」
D「顔撃つのはやりすぎだろ常考」

2ch風にいうとこんなやりとりして、とりあえず帰ろうということになった。
一人一人で帰るとやばいことになりそうで、家の近い同士で三グループに分かれた。
僕はBとあともう一人と一緒で、瞼の上が腫れて来たBを家に送り届けた。
で、家に帰る途中、今度は僕が撃たれた。
また顔狙い、頬にばちんって痛みが走った。
すっごく頭に来てあたりをみたがAの姿形もない。

翌日から僕たちは遊びにAを来させなくした。
というかAと距離を置いた。
AはAで最初は色々誘ってきたが、ハブられたと察した後は、もう一つのグループに声をかけてその輪の中に入った。
Aとは疎遠になった。
けど、顔面撃ちは酷くなる一方だった。
というより僕ばかり撃たれるようになった。
さすがに身の危険を感じて、顔面撃ちがされた直後にAの家に電話をかけてみたら。
親御さんがでたあとAが電話口にたったんだ。
Aの家は電車で帰るところにあったから、撃って数分で帰れるわけがない。
僕は犯人がAじゃなかったことに気づいた。
その電話口で、泣きながら僕が実は顔面をBB弾で撃たれてる事を話し。
Aは粗暴で、よく喧嘩になると相手をぼこぼこにするので、写真に飾っていたことを謝り。
そういうAの性格から、疑って皆でハブった事も打ち明けた。


翌日から僕はAとまた話すようになった。
Aは確かに暴力的だったが、反面当日の恨みは当日で忘れる人だったので。
僕の事を嫌わずにいてくれた。
ぶったり蹴ったりがひどいという自覚はあったみたいで。
以前どおり手と足が口より先に出たけど、手加減はしてくれるようになった。
どころか、僕ばかりが撃たれてることに同情して犯人探しを手伝ってくれた。


やっとの思いで犯人を捕まえて吐かせたら、犯人は思いもよらなかった。
僕らのグループの実に半分が犯人だった。その中にはBとCも含まれる。
彼らはAを追い出したかったが、真っ向から出てけと言って喧嘩になるのが嫌だったそうだ。
それでAを犯人にしたてあげる計画を立てて、実行した。
ところがその時Bを撃ったやつが人間撃つと気持ちいいと言ったせいで。
顔面打ちを新しい遊びとしてやるようになった。
最初は自分たちに疑いがこないように皆被害者になったが。
結構痛かったので、一番気弱そうな僕−ばれても暴力ふるわなそうにみえたらしい−を的にしたんだそうだ。
Aと一緒になって顔面打ちメンバー全員一巡するまで素手で


次の話

Part186menu
top