[夢の中の謎の単語2]

1年ぐらい前の夢の話。

薄い黄土色のレンガでできた正方形の部屋の4隅に1人ずつ魔術師(?)
見たいな人が立って儀式を行い何か(多分悪魔かなにか)を呼び出そうとしてる。
なぜか彼ら(俺もその中の1人)は部屋の中心でなくて壁のほうを向いている。
魔方陣みたいなものは無かった。

その内に悪魔が召還できたようだが(姿は見えなかったが”いる”ということだけはわかった)、
これが予定よりずっと高位のやつでそこの4人では制御できない。
全員が予定外の事態に狼狽して、「呼び出してごめんなさい」みたいなことを言っていたと思う。
恐怖と罪悪感が綯(な)い交ぜになったような感情だった。

悪魔はまず俺に近づいてきて「お前がイエスか」と訊いた。
口に出して返事をしたわけではないし、心の中でもはっきりと思考を言葉にしたわけではないが、反射的にNoと思ってしまった。

そうしたら悪魔は「では、死ぬが良い」と言って矢を2本ドス、ドス、と俺の額に突き刺した。
手で突き刺したり、弓から撃ち出したわけではなくて、どこからとも無く高速で飛んでいる矢を2本呼び出して額に命中させた。

俺は額を貫かれて肉体的には死んだのだけど、魂(?)はその場に磔にされたので意識は残っていた。
悪魔は他の魔術師の方へ向かい同じ質問をし、同じように「では、死ぬが良い」といって同じように二本の矢で1人ずつ殺していった。
また、悪魔が自分を殺してから視点は部屋全体を鳥瞰してもいたと同時に他の魔術師の視点ともなったので
計4回額を貫かれる感触を味わった。
(1人称視点と鳥瞰視点が同時に存在するって言うのは俺が見た他の夢でもあったことなのでこの夢だけの特別な現象
だったわけではないが他の登場人物の視点になったのは初めて。)

4人全員が死ぬと悪魔はその部屋から出て行き他の部屋(同じ建物の中で似たような儀式をいくつも行っているようだった)
での儀式に乱入して同じことをした。この辺で目が覚めた。

普段は悪夢を見ても一旦起きてしまうと全く怖くなくなるのだが、このときばかりは起きてもしばらく恐怖に震えていた。
どうしても夢のことを考えてしまうのだが、同時に考えてしまうのがえらく怖かった。
それでも段々と恐怖が収まって来た頃、無意識に「ルキ・トゥビカ」と口走った。
これでなぜかえらく安心したんだが当然意味不明だし、ネットで思いつく限りのアルファベットの組み合わせで検索したがヒットしない。
ただ、夢そのものにはえらくインパクトがあったので憶えていた。

今になって書いたのは洒落コワ184の「悪夢の中の謎の単語」が俺の体験に似てると思ったから。
もうあの時の恐怖は思い出せない代わり(思い出したくもないが)細部は結構憶えていたこと、
書いている内に思い出したことも多いのは意外だった。
あの時は世の中を恨んでいた時だからああいう夢を見たんだろうか。

その後特に変なことは起こっていない。


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