[想い転じて・・]
前頁

ある日、サビ残で20時間ほど仕事場に缶詰の日がありました。
疲れ果てて、気分も悪くて、眠くて意識も朦朧としていたときにMから電話がありました。

妊娠した、と言ったら彼に捨てられそうになったので降ろしたら殴られた
どうしたらいいの??



と。
そこで相談に乗ってあげればよかったんだけど・・・・・
言い訳ですけど・・・
切れて怒鳴ってしまったんです。
鬱陶しいんだよ、重いんだよ
二度と電話してくるな!!!

と。


次の日の夜、Mの母親からMが飛び降り自殺をした、と連絡がありました。
Tさん(俺)宛の手紙があるから見てくれ、と・・・

頭が真っ白になりました。

正直、新しい職場の人間関係は劣悪で、その頃女性がヒステリーを起こして空気最悪なムードだったので
おいそれと休むわけには行かず、後悔と苦悩の日々が続きました・・・
ちょうど4ヶ月前の出来事です・・・・


俺が殺した
俺が死なせた
俺があの時突き放さなければ
俺があの時別れなければ
俺が
俺が
俺が

毎日毎日そのことばかり考えていました
仕事も手につかず、頭の中も空っぽになってしまいました。
俺もいっそ死んでしまいたい、と思ってもみましたがそんな勇気もわかず、遺書も見れないまま1ヶ月が過ぎました。

彼女の死から1ヶ月でやっと連休が貰え、彼女の実家へ行くことができました。

彼女の遺影には大好きだった白のワンピースを着た優しい笑顔をしたMが写っていて、それ見ると泣けて泣けて・・・
Mの俺宛の遺書には

俺に会えて良かった
一時でも好きでいてくれてありがとう
早く素敵な人見つけて私の分も幸せになってね

と書いてあり、俺への非難や恨みは何一つ書かれていませんでした。
Mのお墓へも行ってきました。

こんな寂しいところでMは眠ってるのか・・・・・と物悲しくなってしまいました。


そして、Mへの気持ちを胸に、新しい自分の人生と、自分なりの幸せを見つけようと心の中でMに誓って、
自分の居場所へと戻りました。

Mのことを忘れるくらいがむしゃらに必死に、仕事に励みました。

続く