[オノ]
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小学1か2年生くらいで、まあ幼い子だったのでわざと教えずに
からかっていたんです。その子は本当に心配そうにしていました・・
そりゃそうだよなー 死ぬなんて思ったら・・ でも皆その様子が面白くて
どうする?どうするの?と言ったりしておいうちかけたり・・ そのうち
この際だからもっと面白いことさせようと思って
「死なないようにするには逆立ちで4歩歩くんだよ」
と教える企画が浮上。その男の子は運動神経悪そうだから到底できる
わけない。だからしばらく男の子が逆立ちに苦戦した様子を見た後に
「うそでした、たしでそう」と言ってあげる作戦をすることにしました。

男の子は案の定もう一心不乱に逆立ちしようとしてた。皆笑いをこらえて
その様子を見てる・・ 一旦脚があがってもすぐ落ちちゃう。
顔は涙でいっぱいで・・同情もあったけどやっぱりその時は面白くて
ただただ見てた。
 ここで注意したいのは、ちゃんと芝生のところでやらせたってこと。

しばらく様子を見てたらなんとその子が逆立ちで1歩進んだ。「おおお」と
皆で驚いた・・後に ぶわって進んでる方向に男の子の体がシフト!
あぶない!と思ったらちゃんと男の子の足が地面について、
ブリッジみたいになったからホッとした  
そしたら一緒に見てた子が急に叫び声をあげる。
ほんの一瞬の光景だったけど確かに見た、皆見てた。
なぜかブリッジした男の子の首の下にオノが先が置いてあった。
 男の子はただ力を抜いて、全体重を芝生におろした。
皆びっくりしてた、私もびっくりした。急いでその子の近くにかけつけたら
首から血は・・・出てない、けど、白目向いてる。大変だ!大変だ!って
皆で男の子の体をもって大人達のところへ運んびました。

結局その子はちゃんと生きてました、皆で謝りましたよちゃんと。逆立ちの
ことも嘘だよって謝りました。その後キャンプも順調で皆無事に
解散できました。
ただ、あのオノは確かに見た。オノもきっとあったんだと・・思う。
だって男の子は頭を打った形跡がなかったから、なぜ白目をむいたのかも
わからなかったけど私たちは心の中できっとあのオノが・・オノのせいで・・
と確信していた。芝生にオノは残ってなかったけど・・
私たちは無意識だったけど、今思えば逆立ちの事は嘘といったけどあの話
のことは「たしでそう、うそでした」とは言ってない。
だってオノはあったから、話はうそでした、じゃないかもしれない。

皆無事だったからそれでいいんだけどね・・長々と失礼しました。


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