[つぶやき]

今年の九月頃の話
関西弁の表現があるので苦手な人は注意。


友達とふたりで銭湯に行った帰り道でのこと、閉店時間ギリギリまで居たので十二時近くだったと思う。
くだらない事を喋りながらだらだらと夜道を歩いていた。
辺りは特に店も無くひと気のない公園とグラウンド、あとは家が立っているだけ。時間のせいもあって静かだった。
公園の横を歩いていると数メートル先のらせん階段から何人かの話し声が聞こえてきた。
チラッと見てみると植木の陰からニット帽をかぶった後姿が見えたので高校生か何かがたむろしているんだろうと思い、
そのての集団が苦手な自分は歩きながら小さな声で、独り言でもなく友人に言うでもなくボソッと「嫌やなぁ、こんなとこでたむろして。
他所に行けばええのに。」と呟いた。
呟いてから、もう一度チラッとらせん階段の辺りを見てみるとそこには誰もいなかった。
一瞬おどろいたが直ぐに自分の勘違いだと思い、そう思うとさっき自分の言葉が途端に恥ずかしくなってきた。
「あのな、今言ったんは独り言やから気にせんといて!」思わずそう言うと、自分の横で携帯をいじっていた友人が顔を上げて
「いや、おったやんな?」と驚いた様子で聞き返してきた、メールを打っていたので姿は見ていないが声と気配はあったと言う。

後日、祖母にたずねてみるとそのらせん階段で数件飛び降り自殺があったらしい。
今の所なにも起きていないが幽霊相手に文句を言ってしまったので祟りがないかとかなり怖かった。


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