[蓋のない茶筒]

父の実家は古くから百姓で裏と表に門つきで土蔵ってうのか?二階建てのデカイ蔵がある。家の中にはいつの時代かわからない弓と槍が飾ってあって、床は抜けるが柱は立派な家だ。
何かと嫌なこと?も多い。
そんな感じで縁側から軒下に潜り込むと、たまーに古銭が落ちてるんだ。気持ち悪い虫がいるからあまり奥には行かないようにしていたんだけど、その日は欲を出して奥まで行ってしまった。

やっぱり奥に行けば落ちてる。

でもジメジメしてるし土臭いしキモいし暗いしで怖くなって引き換えそうとした時、木製の茶筒見たいなモノを拾った。あと筋ケシと刀のつば?みたいなの。

茶筒を転がしたり叩いたりして遊んでると、たまに中から変な音がするんだ。
中に何が入ってるのか気になって開けようとするけど、蓋のような部分が見当たらない。
終いには地面に叩きつけて壊そうとしてるのを祖父が見て何をしてるのか聞くので茶筒を見せた。
そしたら祖父が驚いたような何とも言えない表情になって「こんなモノで遊んだらいかん」って怒られてしまった。そう言うと祖父はどこかに茶筒を持っていってしまった。
それ以来、祖父が怒ることはなかったけど…あの茶筒みたいなモノはなんだったのかと、今でもわからない。


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