[晶子ちゃん]
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あと2時間で3日目が終る。晶子ちゃんの表情のない顔が脳裏に浮ぶ。
あと2時間、本来ならビビリの彼は部屋のちょっとした物音などにビクビクしながら過ごさなくてはならなかったのだが、幸か不幸かその時の彼はとにかく眠かった。
このまま頑張って酒でも飲んで起きていようかと思ったが、12時を過ぎても怖いものは怖いので、いっそ今から寝てしまおうと考えたのだ。
明かりを消し、頭から布団を被って、お経(っぽいもの)を唱えているとあっさり眠ってしまったそうだ。

そして夢のようなものを見たような見ないような無覚醒の時間が過ぎ、それは唐突に現れた。
暗闇の中、目の前に右目の飛び出した女の子の顔がぼやっと浮んでいたのだ。
どこからかアアアアアアと断続的な声が響き、ノイズのような音楽が聞こえた。
女の子の顔が破裂しそうに歪んだ時、彼は後ろにひっくり返った。
腰の痛みで意識が一瞬にはっきりして、この異常な事態を認識し始めた。
暗闇の中でパソコンのディスプレイだけが青く光っている。
彼はデスクに座りPCで晶子ちゃんのフラッシュを見ていたのだ。
ベットで眠っていたはずなのに。


時間は?と聞くと「夜中の3時だった」とのこと。なんとも不可解な話だ。


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