[焼け屋敷]

小西タンの九州スイッチのCMに出てくる土地での話しなんだけど、昔火事で一家全滅の屋敷跡がある。
国民休暇村に向かう県道の途中で左が海、右が丘で丘の上に家が建っていた。
今残っているのは門扉と家まで上がる階段、そして焼け跡の家だけ。オカルトスポットとしてちょっと有名になっていた。
俺も一回行った事あるんだけどその時は気色悪いだけで何も感じなかった。・・・しかし彼女に聞いた話は恐かった。
以下は彼女の体験した話。

女の子4人で肝試しにこの火事屋敷跡地に夜遊びに来た。メンバーは霊感強のA、霊感中のB、霊感弱のC、霊感弱弱の私の4人。
霊感が一番強いAは車から降りなかった。顔色が悪い。Aを気遣いながらも車から降りた。
A「やばいよ。私気分最悪だもの。気をつけてね」
Aの忠告を気にしながら門扉をくぐり焼け跡の屋敷へと向かう。
Bがいきなり吐出した。Bも気分が悪くなってリタイア。残ったCと私は上まで昇りきった。
「だめ、やばいよ。帰る」と言うとCは階段を慌てて降りてしまった。私は一人残された・・・

焼け跡は月明かりに照らされてはっきりと姿を現した。屋根は無く、いくつかの黒く焦げた柱が天に向かって伸びていた。
私は屋敷跡に足を踏み入れた。・・・ガス爆発って噂だったけどこれは凄いね・・・
なぜが寒気が全身を覆う。気分がすぐれない。なぜが体は屋敷の奥へと導かれていく。気分が悪い・・・吐きそうだ。廻りの景色がぐるぐると回り始めていく・・・

屋敷へと登る階段の方から声が聞こえる。Cの声だ。
「早く逃げてええええ!!!!!」
私は無我夢中で階段まで走り慌てて国道まで降りた。そこには・・・A,B,Cが待っていた。
何も言わず車に押し込まれてCの運転で急いでその場所を離れた。Aは気分が良くなったのか話始める。
「あそこはやばいよ。もう近寄っちゃ駄目だからね」
車が焼け屋敷跡から離れて行くと気分が良くなってきた。もう近寄らないようにしないとね・・・・


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