[変わってしまった母]
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そして、これは俺の中学の卒業式ことです。

俺「多分今年も母親来るだろうな…」

 と、心の中で予想していました。そしてそれはやはり、案の上だった。
卒業式当日、母親はやってきました。ただし今までと違っていた事が一つあった。
(体育館内に押しかけきてたので、すぐに人が駆けつけたから無事で済んだというのが今までの話)

 だけど、今回はそうゆうわけにはかなかったよ。本当にやばかった。
まあ既に想像してる人もいると思うけど、一人の時を狙ってきたんだね…。

 卒業式が終わって、それから俺は友達と写真を撮りあったりしていた。
一通り友達と写真を撮り終えたので、俺は帰る支度をしていたんだ。

俺「今日は来なかったな…あ〜よかった」

 と考えながら身支度を整えてたが、急にトイレにいきたくなってしまった。
さっさとトイレを済ませて手を洗っていたんだが、肩をぽんぽんと誰かに叩かれる。
振り向いたらそこにいたのは母親だった。てゆうかなぜトイレに?(どこかで見張ってたのかな…)

 母親が急に現れたってのも怖かったけど、一番怖かったのはその「表情」
表情はまさに「無表情」だった。視線を一直線にとらえていて、真一文字に閉じた口。
人間ってのは本当に怖いときは声が出なくなる。空気を呑んだ感じというのかな。

 何故だかわからないけど、死ぬかと思った。本当に。

 ほんの数秒程度だったと思うけど、母親が何か紙のようなものを渡してきた。

母「この場でこれを見なさい。お父さんにこの内容をちゃんと聞きなさい」

 もう怖くて怖くてしょうがなくて、俺は目線を下にやったんだ。
目を合わせることすら怖くて、とにかく俯いてた。すると突然母親が

母「おい!ちゃんと親の目を見なさいよ!」

 その大声が狭い男子トイレ内で反響して耳に響いた。
逃げようと思ったけど足がすくんで動けなかったので目を向けた。
そして言われたとおり紙を開いてみたら、ぎっしりと文章が書いてあった。

 それがもうとにかく酷い内容だったよ。覚えている文章は書いておこうと思う。

「あなたの家のくそ親父と鬼ババア(父と祖母の事だろう)は人ではありません」
「裁判で訴えます。親権と私の子供を返しなさい」(今でも裁判が続いている状況…)
「もし返さない場合、慰謝料として1億円を請求させてもらう」

 といった感じに、そこには子供じみた文章がずらずらと書かれていた気がする。


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