[山小屋に住み着くモノ]
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「誰かが来てキャンプみたいなんやった後に捨てていったんやろうな。」と言いながらカレンダーを捲ってた 
Aがいきなり「うわっ」と叫んだ。皆が一斉に彼を見てどうしたのかを聞こうとした時にすぐになんで叫んでるのかが 
分かった。 
そのカレンダーの数十枚捲ったところに小さい黒い斑点が見える。 
めくれば捲るほどその黒い斑点の大きさと量は増えていき、赤黒くなって見える。 
Aは「やばすぎ!!」とそれをすぐに手から放り投げた。そこで彼は先ほどの影の話をし始めて 
「ここやばいんやね?気持ち悪すぎる。」と言い、その場全員が来るまでにした怖い話のせいもあり 
固まって動けなくなった。 
どうにかその内の一人のBが「見間違いやって。そんな影なんか。しかもこの黒いのも土やろ。10年前のやぞ? 
雨降れば少しは色も変わるって。」と言いながらカレンダーを拾いに行くと、Aが「お前読んでみいや。」 
と言い始める。自分達にはAが何を言ってるのかわからず拾いに行ったBが「何をよ。」と笑いながら 
カレンダーを拾い捲っていった。その瞬間に「ひっ」と変な声を出しながらカレンダーを落とした。 
「これは、無いわ。なんちゅう悪戯をしとんやろ・・・。」と言いながら何かが憑いたんじゃないかと 
いうぐらい青い顔で目を見開いていた。さすがに誰もそれを見ようとはせずにただ、「どうしたん?」 
「何があるん?」と唯聞くのみ。Aは「見たらわかるって」と言うのみでBは固まったまま動かない。 
何があるのか気になったのと、折角ここまできたのに、このまま帰るのは嫌だった俺はそのカレンダーを拾い 
見てみた。何枚かを捲っていき、それを見た瞬間に手が震えて背筋に寒気がはしり、腰がどっと落ちた。 
「うゎ・・・。なんかこれ!」と怖さを振り払おうと大きい声を出したら全員がびくっとなり一斉に俺を見た。 
「まじで、何が書いとんか言えや。」と怒鳴りながら言う友人にAが「自分で見ろって!口にも出したくないわ」 
と怒鳴り返し、再度静かになる。「み、皆でみればいいやん。」と何とか言うと見てないAとB以外の友人が集まって 
来た。あまり、直に手で触りたくなかった為拾ってきた棒でゆっくりと捲っていく。 
ただ、その黒い斑点のせいでくっついている箇所もあるため、1枚づつ捲れるようにに二本の棒で開いていった。 
そのカレンダーはよくある日めくりカレンダーで大きさはA4ノートぐらいの大きさ。小さくないため一本の棒で抑えて 
もう一本で開いていくと、8月の「19日」と書いてある場所から黒い斑点が始まった。それは「20日」の場所から滲んで 
ついたようで、「20日」をひらくと再度それを見ていなかった友人達が「うわ。。」と口々に悲鳴をあげた。 
それは小さい字で書いており 
「20日 この日は私が初めて手首を切った日 これ見た人呪うね」と書いていた・・・。 
「これは、無いわ。何でこんなん書くよ・・・。」と泣きそうな声で言う友人。 
「続きはどうなったとん?」と言う友人が棒を取り、次の日を開こうとするもくっ付いてて開けない。 
次に開いた所には「24日 まゆみちゃんの頭から血がでてる。カレンダーに垂らしてみたら黒くなっちゃった」 
と書いていた。「意味がわからん。。」と言いつつその友人はどんどん開いていこうとする、次に開いたところは 
ページがくっ付いて居た為に10月までくっ付いており開いたところは赤黒い染みがあるだけ。それ以降は何も書いておらず、 
「まじでなんなん。」とかなりビクつきながら皆が囲炉裏の周りに集まった。 
「どこまで続いたんやろ。意味がわからんし。。」とAが言うと、 
Bが「1枚1枚めくれるか?お前。無理やしほっとけよ。」と怒りながら言い出した。 
「誰が捲れるっていったんか?お前怖いけって突っかかってくんな」とAも言いかなり険悪なムードに。 
その時に空気と言うものを一切読めないCが「じゃんけんすれば?」と言い出しB以外の全員が噴出した。 
それが良かったのか、怖さが収まり少しづつ余裕が出てきた。 
「なんか、シーンとしとったら余計に怖いし、もういいやん、皆で見ようや。」とCが言い出し 
「どうせ、これも血のように色たらして、怖がらせようと書いとるだけやろ。 
見よったら最後に『私、あなたの後ろにいるの』のパターンよ。」と全員を安心させてカレンダーを素手でゆっくりと捲り始めた。