[見える人]

専門学校に通ってた時の話。(身内には高確率で場所特定されるな)
学校の先輩がバイトしてたローソンに所謂「見える人」がいた。(以下A氏)
先輩とA氏は夜間シフトだったんだが、なんでもタバコ(A氏の好きな銘柄)を一箱奢ると、背中に憑いてるモン(守護霊じゃなくて背後霊)を見てくれるらしく、身内の一部で有名だった。
「じゃあ、立ち読みしててよ。見とくから」と言って、立ち読みを奨められるらしいが、みんな緊張やら恐怖やらで本には集中できないらしい。

で、まぁ、見て貰った人たちの事を書くね。
先輩は先祖のじい様がツいてたらしい。にこにことして、優しそうなお爺さんだそうだ。
同期のNは腕に無数の腕が絡まってる。
Kは右肩に無数の顔がぐちゃぐちゃになった肉塊のようなモノと右手にヘビ(両方ともタチが悪い)。
ちなみに、Kは学校の霊感がある講師に軽い御払いみたいなのをして貰いながら卒業までの二年をしのいだ。
T1(イニシャルが同じヤツがいる場合は便宜的にこう書く)はタヌキがくっついた(無害)。
T2は厄介で、腰に髪の長い女が抱き着いているらしい。
しかもそれが呼び寄せてるらしく、他の女の霊ばかりが四、五人ついてるとか。腰女が生霊か死霊かは不明。
体にも影響が出ているらしく、現にT2は腰が悪かった。
原因は過去の女遊びのせい。実際、コイツは女癖が悪い。
しかし、それは今も変わらず。

S1はキツネ。良いか悪いかは不明。
S1は確かにキツネっぽい顔付きだったぜ。
目付きが悪いってか、吊り上がってるカンジ?でもカッコイイヤツだった。
S2はなにがついてるか忘れた。しかし、印象的なエピソードはある。
彼の車で心霊スポットに行った事があった。
荒川のどっか(確か熊谷の方かな)の橋下の神隠しが起こる場所らしく、そこでは走り屋が車ごと消えてるそうだ。(神隠しより、時折現れる走り屋の母親の方が怖いらしい。)
現場からは何事もなく帰って来たが、後部の窓に子供大の手形がいくつか着いてた。
もちろん、誰も触ってない。
でも、やんちゃだから気にしない!
その状態でローソンに行ったら、A氏に心霊スポットに行った事を見抜かれ、車の上部から無数の手が出ていること、車は変えた方がいいと言われたそうだ。
当然ながら、やんちゃな連中だから変えるはずなかったんだけどね。

ま、こんだけよ。
俺?見て貰う前にA氏が失踪しちゃったから、機会がなかったよ。
元々、殺人か何か。とにかく警察沙汰で追われてる人だったらしいからね。(A氏の自己申告)
余談だけど、A氏の知り合いには写メ見ただけで、その人の人間性、過去、未来を見れる人がいるらしい。
とりあえず、何が言いたいかってーと、一度でいいから俺もオカルトな体験してみたいってコト。
怖いのは嫌いだけどさ。


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