[にやけるおばさん]

投下します。友達とドライブに行った時、友達が「ちょっとトイレ行きたい」というので近くのスーパーに寄った。
私は別にトイレにも行きたくなかったし、寄る用事も無かったので駐車場で待ってることにした。車の中で待っていると横からのあつい視線を感じた。
恐る恐るその視線のほうを見ると、隣の隣の車に乗っているニヤニヤした気味の悪いおばさんがこっちをずっと見ていた。
何かこっちのほうに面白いものでもあるのかなと思い辺りを見回したが自分の回りはただ車が止まっていて閑静な住宅が立ち並んで、ちょっとしたお店があるだけだった。
自分の事をずっと見ているのは明確だった。なにかニヤニヤされる格好をしているわけでもないし、そんなからかわれる様な顔でもない(むしろ地味で掴み所のない顔)
3分程時がたった頃もおばさんは自分の事をニヤニヤしながら見つめていた。どう考えても偶然じゃない。友達はまだかとずっと考えていたが、耐え切れずに車の鍵をかけず車を飛び出しスーパーの方に走り出した。
友達はお菓子コーナーでお菓子を物色していた。
自分「遅いよ!」
友達「ごめんごめん。小腹が空いちゃって」
友達との会話に何かしらの安心を覚え、あの変なおばさんの事を話そうと思ったが車に乗ってちょっと走ってから話そうと思い店内では黙っていた。
そして会計をすませ駐車場の方へ行き車に乗り込んだ。車の鍵をかけ忘れた事で少し怒られた。
さっきおばさんのいた方を見た。手前の車はいなくなっておりおばさんの乗っていた車はあるがおばさんがいない。もしかして自分をずっと見ていたのは何かの偶然かもしれないと自分の良い方に考え、もしかしたら自分の自意識過剰があったかもしれないと少し恥ずかしくなった。
しばらくはしってからポテチを食べながらあのおばさんの話をしようと思ったその時
「私にもちょうだい」と後ろから声がした。ギョッとして後ろを振り向くとあのおばさんがちょこんと座っていた。


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