[隣のアノ音]

友人の話

彼が大学に入学して初めての夏のある夜。
クーラーはついていたものの、電気代節約と地球温暖化防止の精神から、
彼は窓を開けて床に就いた。
うとうとし始めた頃、隣の部屋の入り口が開く音がした。
しばらくすると、なにやら女のなまめかしい声が聞こえる。
家賃もそこそこなので、今までは隣の声が聞こえることなど無かったが、
隣も彼と同じ精神で窓を開けていたのだろう。
彼は、「ヤってるな」と思って聞き耳を立てた。
しかし、すぐにそれがAVの音だと気づいた。
どうやら内容はレイプモノらしい。
とりあえず彼は一発抜いてから眠った。

8月が終わる頃までに、何度か同じようなことがあった。
そして8月も最終日になり日付が変わった頃、
隣の住人が帰宅する音が聞こえた。
しかしその日は、女の声の変わりにベッドがきしむ音だけが聞こえた。
彼は怖くなって窓を閉めたらしい。


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