[置き石]
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オレはゆっくりと…しかし一度下りだした足は早足になり、しまいには暗い階段でしたがころげ落ちる勢いで車へと走ってました。
「Kどうしたの?どうした?ねぇ!K!!」。二人はオレの名前を叫びながらあわてふためいて…おそらくオレの形相に恐怖を感じていたのでしょう。
こういう時って「ギャー!」とか「ワァー!」って声を出しながら逃げると思いますが、いざそういう場面に立たされるとまったくの無言。ただひたすら3人は逃げるように車へと駆け込みました。

オレが一番最初に車に着き「M!カギ!早くカギ!早く!カギ!!カギ!車のカギ開けろ!!」。無我夢中でロックがかかってる助手席のドアを「ガチャガチャ」と。
そのすぐ後に運転席側に向かった友達がドアにカギを入れ「カチッ」と全部のドアのロックが外れた音を聞きました。同時に一気に3人はドアを開け車に乗り込みました。その時にオレは違和感を感じたのです。
「アレ…オシリイタイ…ナニカアル…オカシイ…アレ?」
みなさんは幽霊を信じたコトありますか?ボクは目に見えないモノしか信じない性格でしたが、この時は確信しました。
ボクが座ってた助手席のシートにびっちり!!人の握り拳くらいの石がびっちり置いてあるのです。誰かが並べたかのようにびっちりです!!

すいません!仕事中に携帯からなので遅れました。そんな気にしてませんw
では続けます。
その石を見た瞬間は怖いというか…違和感?ハテナ?っていうのが第一印象でした。
「なんで助手席に?なんで石が?どこから入った?いつ入った?」。オレの頭が真っ白になったと同時に運転席の友達が「ギャーァ!!!」っと石の置いてあるシートを振り払い「K!早く!早くしろ!つっ立ってないで早く座れ!」。
オレは我を取り戻してMが振り払ったシートに腰掛け、と同時に車は急発進でその場から逃げました。

車を走らせて何分…何十分…何時間…3人はその間まったく言葉を発しませんでした。しばらくして最初に口を開いたのは女友達でした。「誰がやった?K?M?私を怖がらせようと企んだでしょう!」と。
Mは「まさか!」と言いオレは笑って「だって3人一緒に車出たじゃん?その後カギかけたのに誰が石置くの?」。また3人はしばらく沈黙しました。
すると車がカーブに差し掛かった所でさっきシートにあった石が足元から「ゴロン…」と。

オレはその石を拾い「さっきの石じゃない?」。よく見ると濡れてるんです。ビッショリと。さっき水の中から取り出したかのように真ん丸に濡れた石…
オレはとっさに「湖で亡くなった子供がいたずら?遊んでほしくて?置いたのではないか」と不思議な感情を抱いてました。
その後、落ち着いたトコでダムの先端で見た子供の話を二人に話ました。二人は顔を真っ青にしながらも「こんなコトって本当にあるんだ…」と言って恵庭湖を後にしました。

この不思議な出来事をきっかけに、夏の暑い日の夜…とくに今時期のお盆の季節にオレには不思議な体験が舞い降りるようになりました。
またの機会にその不思議な話したいと思います。長々と読んでくれた方々ありがとうございました。


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