[嘘つき]
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ちょっと可愛い女の子が助けを求めてる。当然断る理由はない。 
と言っても、何があるか分からないので、副部長と俺がテントで待機、 
部長、C、Dで廃校に向かうことにした。もちろんカメラを持って。 
19時10分。3人と女の子が廃校に向かっていった。 
テントに残るのはちょっと寂しい感じがしたが、副部長と話をして時間を潰した。 
副「あの子、可愛かったなぁ。」 
俺「ですねー。ああいう子、好みですよ。」 
副「どうする?あの子の大学、名前聞かなかったけど女子大とかだったら。」 
俺「つまり他の2人も女の子。うーん、こんなところで素敵な出会い・・・良いですね。」 
副「でもさ、幽霊ってきっとあんな感じだよな。」 
なんか不安なことを言う副部長。 
あーでもない、こーでもない、といって部長達が戻ってくるのを待った。 
19時40分。 
部長達がテントに戻ってきた。2人だけで。部長とDだけだった。 
Dはなにやらぐったりしており、部長が肩を貸していた。 
これはただ事ではないと感じた副部長と俺。Dをテントに寝かす。気を失ったようだ。 
真っ青になっている部長から話を聞く。 
部「やばい・・・やばかった。女の子の連れが居る2階の教室まで行ったが、2人共倒れてた。すぐに駆け寄ったが、そこで何かがきた。」 
俺「何かって・・・なんです?」 
部「分からない。何かが後ろから迫って来るのがわかった。 
Cがすぐに写真を撮ろうと振り返ったが、シャッターを押す前にCの動きが固まった。 
顔が恐怖に引きつってた。カメラを落としてガクガクと震え始めた。 
女の子も後ろを見て震えてた。口をパクパクさせて、声も出ないようだった。」 
副部長と俺にも、部長の恐怖が伝わってきた。何かがいた。何だろう。何がいたんだ? 
部「背後から迫ってくるものを感じて、俺はこう思った。これは見てはいけない、見たら動けなくなる、と。それをDにも言った。だが少し遅かった。」 
部「Dもその何かを見た。でも完全に見たわけじゃないようだった。見ての通り、なんとか動ける程度で済んだ。」 
俺「女の子とCは完全に見てしまったのですね・・・その何かを。」 
副「それじゃ、・・・全部で4人か。まだその教室に?」 
部「あぁ。俺だけじゃ、まだ動けるDを連れ帰るだけで精一杯だった。すまん・・・。」 
謝る部長。いい加減なサークルだが、部長としての立場もあるのだろう。 
俺「4人か。行って、連れ帰らないと。その何かは、見なければ平気なんですよね?」 
部「平気だった。振り返らなければ、戻って来れた。」 
副「すぐ助けに行こう。でもDだけ置いていけないから・・・お前、ここでDと待っててくれないか?部長と行ってくる。」 
また蚊帳の外。 
非常に残念・・・でも、少し安心してしまった俺。 
まぁ・・・分かるだろ?さすがに怖いからさ。 
続く