[足吊る]
この前友人達4人(ABC俺)で、熊本県U市にある、殺人事件が起こった家に行ってきた時の話。 
随分前に起こった事件らしくて犯人は捕まらなく、今は時効になってる。 
その日はファミレスでこの仲良しで時間を潰してた。時間は丑の刻。車通りも少ないし、ドライブいくかーみたいな話になった 
A「どこ行こうか?」 
B俺「どこでもいいよ」 
C「俺肝試ししたい。田〇坂(西南戦争のあれ)とか」 
A「そこよりもうちょっと遠出せんや?」 
俺「えー嫌ばい」 
後はみんな賛成で自分だけが嫌々ながら連れてかれた
40分位たったかな 
そこの場所ってのがまた殺風景で何にも無い。わかりやすい場所にあんの。だから目に付くものが多かった。 
A「うわーまたや…猫死んどるわ…」 
家の近所に入ると、明らかに風景がおかしくなった。あるわあるわの猫の死体。猫好きの俺とAには堪らんかった。 
「あー…」と目をつぶっていた拍子に「ガタッ」と車体が揺れた。どうやら右後輪で猫を轢いたらしい。この時点で俺は泣きそうな程洒落にならんかった。 
猫のほかは明らかにおかしなとこにいるババァだった。街灯のところにぽつんと立っている。白い服を着たババァだった。多分エアマックス履いていたから幽霊じゃないかと思うけど。 
友人達とこの事など雑談しているうちにすぐ目的地に到着した。 
荒れ放題のお屋敷だった 
B「よっしゃ行こうかね」 
C「ここ殺人が起きた日までの日記あるみたいよ」 
俺「家の人の?」 
B「さがそうかー」 
俺のテンションも上がり、この時点でお調子者のAが黙ってるのは明かにおかしかった。 
俺「A、どやんした?」 
A「や、ちょっと足が重いだけ」 
Aは汗をだらたら流していた。 
A「俺大丈夫やけんお前ら入っとくたん」 
俺「俺も怖いけんこいつが良くなるまでまっとくわ」BC「まじやー。はよ来いよー」 
二人は叫びながら嬉しそうに入って行った。 
A「すまんね。実際むっちゃ足痛いわ」 
Aは顔色が悪いにも引き攣った笑顔で言った。 
その刹那、嫌な空気と言うのだろうか。そいつに包まれた。 
後ろみるとババァがいた。ニタァと笑いながら 
Aと俺は瞬時に「やばい!」と感じ、Aは痛みを忘れ、俺は涙目になりながらBCの所へ走った。 
B「どがんした」 
A「ややややばいって!すぐっすぐ帰るぞ!」 
C「日記は?」 
俺「お前だけ置いていくぞ!さっきのババァだよ!」 
BCは渋々ながら諦めた。 
奴らを前に外へ出ると、ババァは消えていた。 
その後無事に家に着いたが、Aは右足を吊っていて、小指の爪を剥がしていたようだった。 
俺も一週間ほど右足が吊ったようになっててバイトが死ぬほど辛かった。