[水中痴漢]
怖くないかもしれんが俺的には洒落にならん話。明日が同窓会なんで急に思いだした 
消防の時、Yという友達がいた(やすしとかノックで有名な名前)あだ名はノックでかなりのいじられキャラだった 
夏休みにノックと俺を含む男女5対4でプールに行ってプール内鬼ごっこをしていた 
みんな泳ぎ疲れて鬼ごっこがグダグタになった頃俺はプールサイドで、みんなとしゃべっていた 
プールには飽きていて帰るノリだったんだが、突然プール内で女子の叫び声がした 
何事かとプールを見てみると女子が溺れたようにもがき、すぐ横にノックがいる 
みんなでプールに飛び込み女子を助けると、しきりに体を触られた!溺れさせられた! 
と怯えながら訴えていた。近くにいたのはノックだけ。女子は触られたと言ってる 
ノックはいじられキャラのせいもあり、その日から水中痴漢と呼ばれるようになった 
ここまでなら単なる笑い話だけど俺は水中痴漢の時に見てしまったんだ 
他のみんなは気付いてなかったけど、女子の体に黒っぽいもやのようなものが 
まとわりついていて、もやの中に無数の手や顔があった 
その手や顔が女子の体の自由を奪っているように見えた 
ノックは女子に触っていなかったし、距離的に触れる位置じゃなかった 
俺は中学に入ってからもプールで見た黒いもやを10回くらい見ている 
それはいつもノックの体から出ていてプールの時のようにはっきりと人の顔がある時もあった 
もやはノックの近くの人や触った人に移っていく。そして移った人は数日後に怪我をしていた 
もやが移った次の日に、運動神経抜群の人が体育祭の練習で骨折したり 
修学旅行の前日に大怪我した人は旅行中、体にもやがまとわり付いてた 
移ったもやがずっと消えない人は慢性的な腰痛を抱えていたらしい 
今思えばノックのクラスは怪我人が多かった気がする… 
幽霊は全く見えないのになぜ俺だけにもやが見えるのかもわからん 
俺は誰にも言えなくて、22の今になってもノックは痴漢の汚名を着せられている 
明日ノックに会う正直怖い