[酷似した二人]

実体験で長いし文章・構成ともヒドいからスルー推奨で。

俺は愛知に実家があって、今は転勤で東京にいる。
愛知にいるころ、深夜一時に腹が減ってスパゲティを茹で始めたんだけど、ソースが無い事に気付いて、火を点けっ放しで慌てて近所のコンビニに向かおうとした。
で、玄関から半身を出した瞬間、物凄い寒気が襲って来た。腕なんか鳥肌だらけ。しかも玄関から出てる右側だけ。外を見ると霧とは違う白いモヤが一面に漂ってるし。こんな体験は初めてだったけど、ヤバいことは本能的に分かった。
普通なら絶対外に行かないんだろうけど、何故かコンビニに行かなきゃと思って家を出て、ビビりながら5メートルぐらいの庭を横切り、門から出ようとしたら、危険を察知したのか操られたのか、体が勝手に振り向いて玄関の方に向いたんだよ。

するとそこに女が立ってるの。白い服着て髪長くて、よく皆が想像するやつそのまんまのが。さっき通ったときは居なかったのに。
「え?」って思ったらその女が俺に向かって飛んで来て、そのまますり抜けて行った。この世の全ての怨みを表面化した禍々しくチビるほど怖い顔しながら。

振り向いてからこの間、一秒ぐらかな。しかも女の顔は、目で見たというよりすり抜ける時に頭に浮かんだ感じだった。

で、すり抜けたと同時に気配が無くなって、体の硬直が解け、白いモヤがスーッて引き、俺はギャーッとコンビニに走った。
暗い夜道を駆抜け、明るい心のオアシスが見えて来ると本気で安心した。レジに立つお兄さんを確認して、助かった〜と気を抜いてドアを開けようとしたら、「○○!!(←俺の名前)」って大声で後ろから声をかけられ、心臓麻痺寸前。正直チビった。
不意打ちにガクブルしながら振り向くと、大して仲良かったわけじゃない中学の同級生の女の子が車の中から身を乗り出してた。
「久しぶりー」って脳天気に言われたけどそれどころじゃなくて、アウアウしながら「あぁぁぁ火をかけっ放しだからぁぁぁミートソースをぉぉぉ」と震えて絶叫したのを見て、基地外見るような顔しながら「そ、そう。じゃ、またね」って逃げるように車を出して帰って行った。

俺はそのままミートソースを購入し、幾分落ち着いて家へ向かって歩いてると、ふと気付いたことがあった。

白い服の女、同級生の女の子、表情こそ違えど、二人の顔が酷似していたんだ。

こ、これは生霊?
俺、その子とはあんまり話したことは無かったし、怨まれる覚えもないんだよね。
でも二人の顔が似てるのと、コンビニに行かなきゃと思ったことが偶然とは思えないし。なんとも不思議な体験だった。
次の日、もちろん怖くてその子に連絡はしなかった。

って、これで終われば勘違いで済んだかもしれないけど、続きがあるんだ。
つい先日、仕事が終わって会社のビルを出ると、ふと寒気がして、目の前にうっすら白いモヤがかかり、やたら普段利用しないコンビニに行かなきゃと思ってそこへ向かった。
もちろん居たよ、同級生の女の子が。出張で上司に付いてきてたらしい。「偶然だねー」って驚かれたけど、俺には分かってた。俺にどんな怨みを持ってるか知らんが、もう勘弁してほしい。いつかあの女に殺される気がする。


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